ご都合主義記憶喪失あさいつこの苦しい思いは全て忘れてしまおう。
叶うことない思いを抱き続けるのは、もう辛いのだ。
「あれ、樹いないの?」
昼休み後。外で昼食を取った朝陽がアジトに戻ると、部屋の中には三人の姿しかなかった。
樹はいつも一番に戻ってきて、仕事を再開しているのに珍しい。
彼らははて、と顔を見合わせた。
「私は見ていないぞ」
「あー。そういやぁ、昼休みにラボ行くっていってから、戻ってきてないな」
「樹がこの時間にいないのは珍しいですね」
なにかあったんでしょうか? と青斗が心配そうな顔をする。
「この間みたいに、またなにか企んでるのか?」
「それはないと思うけど……一応、確認しに行こうか」
「ふむ、それがいいかもしれんな」
朝陽たちは、彼の様子を確認するためにラボへと向かった。
1159