ほしふるよるに午前1時、あと1時間ほどで流星群はピークを迎える。
オレはバッグに淹れたての珈琲を入れた水筒を入れると、ババアに教わって作ったジンジャーブレッドをそっと乗せる。
(あとは干したてのブランケットを上から押しこめば…)
「よし」
これで準備万端だ。
外を見れば何時もは明るい街も、今夜は心なしか暗い気がする。
きっと、オレの他にも今夜を楽しみにしてる人がいるのかも知れない。
「ダグも楽しみにしてくれてればいいけど…てか来るかな」
誘った時は興味が無いようだった、何時もみたいに「あ、うん」と返すだけで、「楽しみだ」の一言も無かった。
署で別れた時も今夜のことには触れてこなかった。
「忘れてんのかな」
もしそうだとしたら、今夜はジンジャーブレッドをやけ食いするしか無い。
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