あくび
おいなりさん
DOODLEお借りしたワードパレットより4.春分
香り、あくび、横顔
真スミ春麗かな陽気に誘われて、こくり、こくりと船を漕ぐ。
窓際の、一等暖かいその場所にいるその人は、少し、猫に似ている気がした。
「カスミ」
名前を呼んでみたけれど、反応は無く。
「ねぇ、カスミ」
読みかけの本が、少しだけ開いた窓の隙間から吹き込む風に、ぱらりぱらりと捲れていく。
柔らかな光の当たる横顔。
すっと鼻筋が通ったその顔は、胸の奥がきゅんと疼くくらいには好きな顔だった。
「……むずかしそうな本」
椅子に座る彼の足元に座り込み、本の中を覗いてみたけれど、漢字だらけの活字の大群は、真珠にとって催眠術にも近いものがあった。
顔を見上げると、すぅ、すぅ、と寝息が漏れる。
穏やかなその空気に包まれて、真珠は口を開けるとくぁりと欠伸を一つ、また一つ。
カスミの膝の上に頭を乗せて、とろんと蕩ける瞼を抵抗もせず閉じて。
「カスミの……匂いがする……」
甘い香りは、桜の匂いか、ドーナツの匂いか。
お腹の辺りに抱き着いて、真珠はゆっくりと意識を微睡の中に溶かして行った。
end. 440
すたぜろ
DONE2020年8月6日投稿。藍「なあなあ!ヒース!あそこに隠しカメラあんで!盗撮や!訴えたら勝てるんちゃうん!?」
ヒース「・・・はいはい。」
そして撮られる大あくびヒース。
ペンタブ調子悪いなーと思いながら負けず嫌いが出てきてそのまま続行してしまう性格をどうにかしたい。