よすがとなりうるささやかな紙屑　いくらインターネットの普及によりクラウド化やデータでのやりとりが増えたとはいえ、スターピースカンパニーであっても紙を用いた資料のやり取りは未だ健在だ。特に社外の相手とのやり取りを比較的多く行う部署である戦略投資部では、定期的にシュレッダーや溶解処理が行われていた。
　期日の迫ったプロジェクトも、月末に提出しなければならない請求書や人材奨励部に送る予定の申請書も今は抱えていない。今日は絶好の事務作業日和であった。

「あっこれ、」
　プレゼン資料と思われるグラフ付きのモノクロの資料に貼られた付箋紙が目に留まる。
カラフルな付箋紙には流麗な字が書かれていた。

『作為的な図表、留意するように』

　内容をざっと読み込むとピノコニーに向かう前に行った案件のようだった。相手は特に問題のなさそうな気の良いその星所属の官僚で、このまま合意をしようとした際に念のため向こうの用意した資料を技術開発部に精査してもらおうとレイシオに渡したものだった。

雨の日のその後の話　ザァ、ザァ、と水の流れる音がする。
　
　視界の端に辛うじて写り込む時計の針は、もうすぐ起床時刻に迫るところだった。
　けれど、バスタブの水をひっくり返した様な雨を降らす雨雲が重く立ち込めるせいで、窓の外には朝の清々しさなど到底感じられはしない。
　せっかくだから起きてしまおうかと体を捩ると、そこで初めて違和感に気づく。
　昨晩、アベンチュリンを抱きしめて眠ったはずの腕はいつの間にか解かれていた。代わりに彼の両耳を塞ぐように手のひらが、穏やかな寝顔に添えられている。そこに緩く絡められた指先から、彼の体温が僅かに伝わって自身のそれと溶け合うように馴染んでいた。
　
　―ピピピッ
　
　端末が起床時刻を告げる。
　アラームを止めようと手のひらをほんの少し浮かせるとそれを拒むように、重ねられていた指に力が込められる。

　おかしい、どうしてこうなったんだ。そう自問したところで、握ったカードはこちらに微笑んではくれない。じわ、と嫌な汗がにじんで、知らずのうちに眉間の皺が深くなる。

「顔色が悪いね。どうしたんだい？　──ああ、もう降りるのかな」
「……フン、どうせハッタリだ」

　カードを持つ手に力が入る。本当に、どうしてこうなったんだ。ぎり、と奥歯を噛み締めて、先ほどから目の合わないディーラーを睨みつける。男はごく小さなため息を吐いた。

◇

　見ない男がいる、と思った。きざったらしいサングラスから覗く不思議な色の目が、やけに焼き付いて離れない、独特の気配を持つ男。会員制であるこのカジノでこういった客を見るのは珍しい。男はこっそりと口笛を鳴らす。知らない男だ、だが自分のカモにはちょうどいい。派手な金髪に、高級そうなスリーピース。そのみてくれは、世間知らずな金持ちの坊ちゃんそのものだ。馴染みのディーラーに目配せをして、さりげない仕草でチップを転がす。いつもの手口だった。

煌めく星にもう一度死ネタになっちゃうけど、奴隷時代にやらされてたデスゲームの対戦相手の1人が💫くんだった世界線の🦚見たすぎる。
ﾜｰｼｬより少し後に買われた💫くん、歳近いし同じ牢に入れられたのもあって少しずつ仲良くなるけど最終的にデスゲームの対戦相手に。
💫は｢勝っても負けても恨みっこ無しだぞ｣って言ったけど結局はﾜｰｼｬが勝ってしまい、💫は銃で撃たれて死んじゃう。

家族も初めての友達も失って心にぽっかりと穴を開けたまま何だかんだで生き延びて石心入りした🦚、🍄であの日死んだはずの💫がいてびっくりする。ただ相手は記憶が無いし、今は💫よりも優先しなければいけないことがあるとポーカーフェイスで上手く動揺している表情を隠し、心も完璧に隠した。

初めてのキス静かな夜、星の部屋には柔らかな灯りがともり、外の世界はすっかり暗くなっていた。アベンチュリンと星は、彼女の部屋のソファに並んで座っていた。二人は付き合い始めてまだ数日だったが、その間に心の距離はぐっと縮まっていた。

「アベンチュリン…」星は少し照れくさそうに彼を呼ぶ。彼女の頬は薄く紅潮し、二人の間に流れる空気が甘く感じられた。

「なんだい、星ちゃん？」アベンチュリンは優しい笑顔を向けながら、彼女の手を優しく取った。

星はドキドキしながら、彼の目を真っ直ぐに見つめる。「ねえ、私たち、付き合ってるんだよね？」

「そうだね、そうだよ。君がいるだけで、僕はすごく幸せだ。」彼は少し照れながらも、真剣な眼差しで星を見つめ返す。