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    お好み焼き

    aa10lv

    MAIKINGホワイトデーを書こうとして、でも原作時空でバレンタイン考えてるから選考会や試験のことも入れて…お好み焼き回のことにも触れたい…とか考えてたらまとまらなくなってしまったもの。穂荒成分薄め。+++

     バレンタインに贈ってもらったからには、ホワイトデーに返すのが礼儀というか、「流儀」だろう。
     祭りの流儀。醍醐味。そんな冷静になると意味のわからない言葉の組み合わせをたいした疑問も持たずに思考に組み込んでいく程度には、荒船のなかの穂刈の存在は大きい。ボーダー入隊後に知り合って、もうすぐ三年になる。付き合うようになってからも、まだ、一年を過ぎたばかり。だというのに、こんなに好きになっていていいのだろうか。たまに荒船は考える。

     卒業式も終えてランク戦も終えて、お互い時間はある時期だ。せっかくだから何か自分も特別なことをしてやろう。そう思っていたのだが。
    「まさか、九日も試験に参加することになるとはなぁ……」
     アンケートが送られてきたときに試験日程も書いてはあったが、それはあくまでも遠征希望者のみの話だろうと思っていたし、万が一参加するとしても、閉鎖環境試験もやるとは思わない。通達を再度確認したら開始日だけが書かれていた。これを見て説明会前に察しておけというのは無茶な話だ。

    「お前らどうするんだ?」
    「うーん、春休みは大学の課題もあったんだけどね。オペレーター不参加ってわ 712

    NoaNino

    DOODLEお好み焼き食べたい(吐かない)傑の実家の形だけの葬式に参列し、ついでだから今日は実家に寄ってく、そう言った硝子とは向こうで別れた。俺は寄り道もせず、さっさとひとりで高専の最寄り駅に着く。

    駅を出ると、左右に広がる古びた商店街。高専までは徒歩で30分ほど。普段は1時間に数本のバスに乗る距離だけど、急いで帰る理由もない。

    お腹はそれほど空いてなかったが、今日は帰って何かを作る元気もない。
    何か適当に食べて歩いて帰ろう、面倒になったらその時はやっぱりタクシーで帰ろう、そんなことを考えながら、商店街の店を眺めて歩く。
    ラーメン、定食、牛丼、コンビニ、食べたいものが思い浮かばず、商店街の終わりが見えてきたその時。ちょうど店の外の片付けをしていた、馴染みのお好み焼き屋の背の低い老婆と目が合った。小さくて腰も曲がりかけなのに、よく喋る元気な婆さんだ。

    あら、久しぶりじゃない?帰り?食べていかない?今日お客さん全然いないのよ。暑いもんね。

    いや、別に。今日はちょっと。.......暑いし。
    そんなこと言うまもなく、店に呼び入れられ、席に座らされる。目の前の鉄板に火が着けられ、じわじわと温かくなっていく。冷房は弱々しく効いて 1887