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    よるの

    palco_WT

    MAIKINGよるのひみつ

    みんぐと王子。恋人のようでいて恋人と言い切れもできず、な関係に刺さってるトゲ。
    「ふう……」
     シーツに手をついてゆっくりと身を起こした彼の唇から、熱をたたえた、艶っぽい吐息がこぼれた。
     王子が交情に浮いた汗を拭う為に後ろ髪をかきあげると、ちらりと襟足のあたりに走る古傷が見える。そこに気づいたのは、肌を合わせるようになってから何回目だったろうか。いや、もしかしたらボーダーのシャワー室で見たとか、クラス合同の体育の授業の最中とかだったのかもしれない。
    「王子、その傷、なんでか聞いてええか」
     ついにたまりかねて、というほどではないけれど、その首筋の少年らしいしなやかさと上気した色に誘われるように問うてしまった水上に、あは、と彼は花びらのような唇に蜜のような甘い笑みを含んだ。
    「どうして聞いていけないと思ってたんだい?」
    「そりゃ事情《わけ》ありなんやろなと」
     触れることで、心にある傷をかきむしることになるのではないかと。
    「そこまで無神経と思われとったか」
    「思ってないよ」と王子は水上の赤毛をくしゃくしゃとかきまぜた。
    「ただ、ごめんね、君はぼくにそこまで関心を持ってないと思ってたから」
    「……セックスまでしとる相手に無関心て、俺、そこまでひとでなしだと思われと 1088