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    わた

    アンドリュー(鶏)

    DONEⅢED後の大統領2主が15年ぶりにかつての本拠地を訪れるお話。
    (2主→リオウ、ぼっちゃん→ティル)
    Ⅱ軍師組やぼっちゃん、フッチなどが出ます。タイトルと時系列で察せられるかもしれない、あの人の話でもあります。

    令和になって突然小説を書き始めたわたしの、人生初同人誌だったりします。Ⅲの結末への愛と祈りをせいいっぱい込めました。
    そういう意味でも個人的に思い出深くて好きな作品です。
    風の在る理由 斜陽が草原を明々と染める中に草の香りを孕んだ風が舞っている。デュナン共和国、サウスウィンドゥ市に続く街道を青年はただ一人で歩いていた。風が優しく包み込むように過ぎて行って、彼の黒髪を包んだバンダナが宙に舞う。
     突然、穏やかだった風が鋭さを増して青年に襲いかかった。一瞬の出来事であったが、その風に立ち止まった彼──ティルの表情は少しばかり翳ったように見えた。
    「……そうか」
     街道の先にあるデュナン湖を見据え、ティルはぽつりと呟いた。
    「君も、逝ってしまったんだね」
     彼はしばらくその場で風に吹かれるまま佇んでいた。そしてまた、一人でゆっくりと街道を進んでいく。これから訪れる夜を思わせるような冷たさが降り掛かってくる。風はただひたすらに彼の背を押すような追い風だった。
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    AonoAster

    PROGRESS脱走被検体IF『MAVでなくても手は取れる』第4話『クランバトルのレッド・コメット』

    記憶喪失のシャア・アズナブル(自分には信頼するMAVがいたこと以外何も覚えていない。肉体年齢21歳)と相手がシャアだと気づいてないエグザべ・オリベ(イズマ単独捜査中)が一蓮托生になって数日にわたりドタバタする話。クランバトル編だ! 

    中佐とコモリもいます。どこもCPではないつもりです。
    『MAVでなくても手は取れる』第4話『クランバトルのレッド・コメット』クランバトル出場にあたってエグザベは一つだけ条件をつけた。『降参あるいは逃走のタイミングはエグザベが決定し、それを決めた場合はエグザベより先に逃げること』である。本当は頭部以外狙うなとか指示に従えとか色々条件をつけたかったのだが、相手が本気で命を狙ってこない保証ももうないのだ。その上にこちらが乗る機体も未知の借り物で、挙句スバルはニュータイプとはいえ記憶がないのだ。すべてが未知数である以上、あまり細かい事を言ってもしょうがない。

    どうにか約束を飲み込ませて、自分たちが代打で乗る機体を見せてもらう。倉庫に隠されたMSは、端的に言うとかなり古いザクだった。赤くてV字のアンテナがついている。赤いガンダムに外見だけでも寄せようとしたのだろう。ビットはもちろん、頭部バルカンらしきものも見当たらない。正真正銘角付きの赤いザクである。
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