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    アニバーサリー

    カピ(あね)が掘った墓穴

    DONEちょはん 2019年の初め頃編
    もしかしたらアニバーサリー反応に振り回されていたかもしれない7本編前のヨンスヤのお話。しんどい。
    ちょはん 2019年の初め頃編 次々とスイッチする画面は年が明けても相変わらず、異人町の様子を映している。せいぜいが画面越しの装飾がクリスマスから正月に変わって、飾りを片付け始めた店が出てきたくらいか。横浜流氓のシマの正月は旧正月だから、まだまだみんな浮かれていてお祭り騒ぎだ。年末年始の挨拶回りが終わったと思ったら自分の身内のご機嫌取りに奔走しなくてはならない。できれば今日の仕事もさっさと終わらせて、帰って風呂入って寝たい。
     そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、俺はモニタールームで30分待ちぼうけをくらっている。
     ゴツゴツ、と重い音がした。この部屋には今、俺以外はいない。
     ゴツゴツと聞き慣れない音が「近づいてくる」ことに違和感を覚えた。毎度そつなくスマートで小憎たらしいコミジュルの参謀ハン・ジュンギは足音を立てないのだ。おそらく彼だとは思うが確信が持てない。万が一別人である可能性も踏まえて、手元の搬入書類を左手に持ち直し背に隠しながら慎重に振り返る。
    1972