再婚して出来た兄弟でも兄弟やろがいこれはパラレルワールドの話。

片親で育った冨岡姉弟。姉は歳が離れてて、弟が16になる頃には結婚間近の恋人がいた。
やがて姉が結婚し家を出たタイミングで、まさかの親が再婚することに。
義勇には一度は夢に見た下の兄弟達が出来た。相手の長男は一見すると人相が悪く見えるが、目は丸く大きく隠しきれない優しさが滲み出ていて下の子達の面倒を見るのも嫌な顔一つせず、初めて会う義勇にも懐っこい笑顔で挨拶をして来た。
名を玄弥と言って、照れた表情で「兄貴って呼んで良いですか」と聞かれ、あまりの可愛さに義勇は首を千切れんばかりの勢いで縦に振った。これが姉さんの気持ちだろうか。

そして玄弥達と過ごす賑やかで楽しい日々。
家事炊事得意な玄弥に教わりながら義勇は料理はパズルみたいなものだと悟りを開き、超絶強力カビハイターを買うことが自分への贅沢、ご褒美になった。

住民取材　音声1.mp3 文字起こしあの踏み切りのことですか？もちろん知ってますよ。この辺じゃ有名なので。
……まさかプロヒーローが派遣されるような、事件になるなんて思いませんでしたけどね。
ダイナマイトとウラビティでしたっけ、若い子ははしゃいでますよ。

ええと、あの踏み切りの話ですよね。
昔、僕が生まれる前、母もまだ小さい頃らしいんですけど。あの踏切で女の子が亡くなったんですよ。まあでも正直これ自体が噂というかなんというか……本当かどうかはわからないですよ？でもあの踏切、ずっと花が備えてあったでしょう？誰が置いてるかわからないですけど、僕が小さい頃からずっと供えてあるんです。

それで、ええと、これも噂話程度しか知らないですが、どうやら個性が人を傷つけるようなものだったみたいで。ほら、シガラキトムラほどじゃないけど悪い個性っていうか。昔、男の子を滅多刺しにした少女、みたいな事件あったでしょ？あんな風にちょっと変わった個性ってやつ。今は確か減ってるんでしたっけ、そういうの……まあこんな田舎だとまだまだ個性の偏見とかはありますね。その辺昔は特に強かったでしょうから。