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    コーナー

    ksmt2480

    DOODLE急に生理来ちゃった丹恒ちゃんのために深夜の薬局で生理用品コーナーの前で挙動不審になる刃ちゃんの話
    刃ちゃんの異世界冒険記 草木も微睡む深夜零時、刃は異世界に居た。
     いや、正確にはここは惑星地球にある刃の家の近くの薬局であるのだが。刃にとっては未知の世界が目の前に広がっている。近くで足音が聞こえる度にぴくりと身体を跳ねさせている刃の姿を同僚が見たらどう思うのだろう。それでも、果たすべき使命のためを刃はじっとその場で、───生理用品コーナーの前で、何を買えばいいのかを真剣に悩んでいた。

     そもそもの話は数十分前に遡る。眠っていたはずの刃はぐい、と身体を引かれる感覚で目を覚ます。何事かと、その大きな身体をのっそりと起こすのと同時に下敷きになっていたシーツが抜けて、横からどたん、と大きな音が聞こえた。
    「……何をしている」
     刃が音の原因を探せば、意識があるまで腕の中に閉じ込めていたはずの丹恒が床で尻もちを付いている。その腕の中にある白い布が証拠だ。わざわざ恋人のために用意した柔らかなベッドではなく、なぜそんな床にいるのか。何気ない疑問を簡略化して問うのは刃にとっては当たり前のことであるのだが、今日に限ってはその当たり前が悪い方向に働いてしまった。
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