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    サガ

    Rxme07Nysn

    DONEえむ氏から「晴天」とお題をもらって書きました
    自カプの白珠くんと亜光様のお話です

    晴天ぽさがなくなりましたことをお詫びします
    晴天 メーデー メーデー 本日は晴天なり


    「何だそれは?」
    「知らん。鈴音が言ってた」

     隣で手製の矢を作る白珠が、空を見上げた。聴き慣れない響きの言葉に、剣の手入れを止める。
     鈴音はたまに、意味のわからない言葉を使う。どこから来たのかもわからない女の言葉に、耳を傾けるものじゃない。それはわかっているのだが、妙に耳に残る言葉。
     なんて言ってたかな、たしか…、そう。豊穣を司る女神のための日。だったかな。

    「女神か」
    「ははっ!女神なんて眉唾もん信じて、鈴音もかわいいよな」
    「女系の神を信仰しているのも珍しい」
    「あと面白い事言ってたぜ?」
    「面白い?」
    「俺は春みたいなんだってよ」

     少し嬉しさが強くはにかむ。
     常ながら「もう少し落ち着け」と言われて、白珠は遺憾を感じていた。精密な矢を放つための集中力や洞察力だってある。それなのにこれ以上どう落ち着けと言うのか。辟易としていた時に、鈴音から「春みたいに暖かくて、生命に満ちていて、小さなお花みたいなかわいらしさがあります」そう言われた。かわいらしいという言葉には反論したいが、褒められている事に変わりはないだろうと、素直に受け取った。
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