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    ソロ

    紫@🐏

    DONEそろそろ自覚しそうでしない18歳ナタくんの迷走。
    うちの先生は超絶美形だけど若干ポンコツかもしれない。
    Voi che sapete「もう少し、このあたりをこうして、こう」
     身振り手振りも交えてみせる男の真顔を暫し見つめ、要するに、とジェマは言った。
    「鍔の材質を変えて、全体を軽量化したいってこと?」
    「……その通りだ」
     察しがよくて助かるな、と男は微笑んだ。整い過ぎているがゆえに冷たい月のような印象すら与える類稀な美貌は、笑うと目尻に刻まれる皺の所為で、やや親しみやすくなる。
    「別に急いでいる訳じゃない。他に納期の近い仕事があれば、そちらを優先してくれ」
    「進捗は知らせるよ」
    「ありがたい」
     頼む、と片手を挙げた後背を向けた男の、肩口ではさりと翻る長い髪が、鳥の翼に似ている。均整の取れたその長身を見送った後、ジェマは作業に戻った。鉱石を磨き、台座に嵌め込む。溶接し、やすりを当てる。やがて手元に影が落ちたことには気づいたものの、声を掛けられるまで顔は上げないことにした。細かい細工物は嫌いではないが、一度中断されてしまうと、再び集中できるまでに少し時間が掛かってしまうからだ。一区切り着いたところで道具を置き、状差しに止め付けた次の発注内容を確認し、顔を上げた時。
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