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    チュン

    htz_mee

    DONE悠虎SS(1/2) / 🐯→🐗の順です

    推しカプの朝チュン、なんぼあってもいい。
    特別な朝に side虎於―――


     世界でいちばん、穏やかな朝だとおもった。

     カーテンの隙間から溢れる陽のひかりの眩しさに閉ざされていた目蓋を薄く開けば、柔らかな髪が透けると共に映し出される柔らかな表情と一定間隔に聞こえる寝息に思わず口元が弛んだ。時刻はおそらく「おはよう」と言うには少し遅いのだろう。それでも、声を掛けて起こす気にはならなかった。普段ではまじまじと見ることのない目前にある寝顔をほんの少し、独り占めしていたいだなんて感情が湧いたからだ。……今までに幾度と女を抱いて秘密の夜を過ごし朝を迎えていたがそんなこと、一度だって思いもしなかった。一体なにが違うんだ、なんて考えは愚問なのだろう。
     重力に落ちる横髪を起こさぬ様にとそっと掬い、指の背で頬撫でながら耳に掛けてみせ様子を伺う。ひそりと寄せ動く眉すら愛おしい。ああ……これがきっと、人を好きになるという気持ちなんだと寝起きたばかりの脳が理解する。そんなことを口に出したらどんな顔をするだろうか。いつものように吊り上げた眉で、肩を竦めて隠しきれずに照れるのか、あるいは……――まだ見たことのない一面が見られるのかもしれない。
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    shikuroot

    DONE現パロ初夜朝チュンシャルロビ
    『明日の希望、皐月の星』無事開催ありがとう記念
    次の朝食はいつにしようか 心地よい微睡の中で、サンソンはパンの焼ける香ばしい匂いを嗅いだ。遅れて、柑橘を連想させる爽やかな香り。目を閉ざしたままシーツに頭を擦りつければ、沁みついた煙草の臭いが。それでようやく此処が自宅でないことを思い出す。
     瞼を開ける。
     最初に視界に入ってきたのは白いシーツと濃紺の布団の端っこだ。視線を巡らせると、酒瓶の並ぶシェルフ越しにロビンの背中が見えた。深緑色の薄手のニット越しに肩甲骨と、そこから繋がる両腕がせわしく動いている。パンと柑橘の良い匂いは変わらず、冷蔵庫の開かれる音、閉じられる音、蛇口の音、レタスの切断されるザクリと瑞々しい音、包丁が木製のまな板に当たる音が聞こえる。それらと並行して、お湯が泡を立てる音。寝起きのサンソンの頭にそれらはすっと心地よく染み込んだ。羽毛の温もりに未練を感じながらも上体を起こすと、今度は棚に邪魔されることなく台所へ向かうロビンの姿がよく見える。サンソンは、この部屋に入ってすぐロビンに聞かされたことを思い出した。ワンルーム八畳、約百六十平方フィート。部屋の端と端に居ても近いのは、いいことだな、とサンソンは思う。
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