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駅の待合にいる善逸。
突然の列車のトラブルにより、足止めを食う。
列車は一等車や二等車と階級ごとに分けられるが、待合はそうではない。
待合の端に座って、ぼんやりと過去を振り返る。

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善逸の父と母は駆け落ち同然で結婚した。三人で新天地アメリカで暮らしていたが、善逸が三つになる前に父は逝去し、女手一つで育ててくれた母も七つの時に死んでしまった。生前の父と母は人徳のおかげでおかげで天涯孤独となった善逸もどうにか暮らしていけた。しかし、母が亡くなって一年後に事態は急展開を迎える。

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父の父、つまりは善逸にとって祖父だと名乗る人物が現れたのだ。祖父公爵であり、父は公爵の三男だったという。しかし公爵家の男子はみな死んでしまって、唯一残った善逸が爵位を継ぐのだと代理人である弁護士に言われた。