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    ノドン

    あさはか

    MOURNINGイサンとドンランが銀河鉄道に乗る話の書きたいとこを書こうとして挫折した物です
    どうしてもさそりの火(自己犠牲)についてのドンランの見解が見たかったが思いつかない上に読みづらいのでボツ 解散 以上
    参考:宮沢賢治「銀河鉄道の夜」よりああ、みてよイサン。
    「ふむ」

    あの赤い光、アンタレスって言うんだよね。
    「...さり。」

    だよね!古い本でしかみたことがなかったけど...本物を見れる日が来るなんて。炎のように赤い、書いてあった通りだ。綺麗だね...。
    ...
    そういえばさ、さそりの火の話。ほら、小説に出てきた蠍座の成り立ちの話!昔読んだじゃないか。きっと君のことだから全部覚えてるでしょ?
    「......然り。」

    だよね!流石イサンだね。でもさ、あの今も燃やされ続けてる蠍は愚かだと思わない?
    たくさんのものを奪っておきながら結局最期には自分の過ちに気づいて、どうしてこうなってしまったんだろう、ああすればよかったって、遅すぎる後悔をする、もう戻れないのに。祈りを捧げても無駄なのに...。ああそっか、それでも蠍は見つけてもらえたんだね。はは、そうだった。そうだったね。ごめんごめん、話が逸れたね。えーと、どこが愚かだってっていうとさ、逃げてしまったことを後悔しているのがだよ。命を惜しむことがそんなに悪いことなの?だってみんなそうじゃないか。自分が生き残るためには(何者かになる為には...)たとえ友人______大事な物でも、(摘み取らなきゃ)(壊さなきゃ)...変えなきゃいけない時がある。逃げることも...ね。動物たちがそうであるようにね。弱肉強食、自然の摂理じゃないか。わかるだろ?
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    warabi_hq

    MAIKING途中書きのどんきつねさん的なきたさん。
    まだようやく両片想いになったくらいの段階。
    治はこの頃お店の2階に住んでいます。
    小さなキッチンに見合わない大きな冷蔵庫を置いていて、部屋は和室なのでテーブルじゃなくちゃぶ台で食事。
    お店が軌道に乗ってきて、時間的にも金銭的にも余裕ができてきたらもうちょっと広い近所のマンションに引っ越します。
    白狐宮治にとって『飯を食う』という行為は、人生の中で1番の幸福な時間であった。ところがこの数日、落ち着いてその至福の時間を過ごせていない。

    おにぎり宮の営業を終え、一人暮らしにしては立派な冷蔵庫のある部屋に戻り、一日頑張った自分のために拵えた夕飯の並んだちゃぶ台の向こうに、ちょこんと正座する想い人、北信介の姿があった。いつもと変わらない服装のそのひとには、本来あるはずのない、狐のものと思われる真っ白いふわふわの尻尾と、頭の上にはツンと立ち上がった同じく白くふわふわの三角形の耳が存在していた。彼は治が食事を摂る間、きちんと正座をしたまま、じっとその様子を見守っている。

    これが、治がここ最近落ち着いて至福の時を過ごせていない大きな理由だった。そもそも実家で農業を営んでいる彼が、こんな時間に街中の治の部屋にいるはずがないのである。
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