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    ノー

    soseki1_1

    DOODLEナワーブ🤕と喧嘩して家出したイライ🔮を匿うノートン🧲/現パロ大占傭占
     火種って簡単に点くんだなって思った。鼻の先にある、灰色の間からちらちら覗く赤色は綺麗で、心臓みたいだなんて見たことのないものの想像をした。ただ咥えてるだけなのに口の中に煙が溜まるのが不思議だった。吐き出してばかりいたそれを思い切って吸い込んだとき、喉が焼けるような不快感に襲われて咳き込んだ。そこからはもうてんで駄目で、ただ口内に煙を溜めておくだけで僕は咳をするようになった。向いてない。明らかに分かる事実が悔しくて、認めたくなくて、僕は咳をしながら煙草をふかし続けた。
     ひたすら歩いて歩いて歩いた先にあった見慣れたコンビニでそれは買えた。ライターだって簡単に買えた。レジの隣に置いてあった。「煙草を」と言った僕に気怠げな店員は「何番ですかぁ」と草臥れた問いかけをして、僕は、淀み無く番号を言った。彼がたった一度だけ僕の前で言った煙草の銘柄を僕は馬鹿みたいに覚えていて、彼が言わなかった番号まで調べて覚えていた。言うつもりはなかったのに、その番号が口からついて出た。悔しかった。その番号以外知ってるものなんてなくて、店員はスムーズに立ち並んでる箱達からたったひとつを取り出していて、僕は撤回する機会を失った。
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    まみや

    DONE一日遅刻!クリスマスのお話。
    花屋パロ×かわいい住宅のスミイサ番外編。

    花屋バーススミイサがN野県H馬村の一軒家で同棲して付き合ってる話。ミユは地元の幼馴染で現保育士、ヒビキは地元スーパーの娘、ヒロは海外からの移住者でスノーボードインストラクター、サタケは消防団団長兼商店街会長です。って、サタチョ出せなかった(しょぼん)
    この話では既に付き合ってます。
    HOME SWEET HOME(クリスマス番外編)【スミス家、クリスマスを祝う】



     ジングルベールジングルベール鈴が鳴るぅ~。
     保育園で覚えたてのクリスマスソングを歌いながらルルは雪の積もった庭を冒険している。夏の間に遊んだプールや木登りの梯子はもう危ないからと撤去してしまったが、代わりに広くなった庭のあちこちには雪が降るたびに雪だるまを作った。
     今日は久しぶりの晴れの日。三日間降り続いたブリザードのような雪がようやっと止んで、木々の向こうには冬の雪国では滅多にお目にかかれない太陽すら顔を出していた。
     その太陽に温められて屋根の縁からぶら下がったつららからはポタポタと水が滴っている。そろそろ屋根に積もった雪が落ちてくるだろう。その下にルルが生き埋めにならないよう、イサミとスミスはルルの行動からはますます目が離せなくなった。
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    無味無臭

    DOODLEしゅごせーならずに楽士さんやってる水様と、レ私設騎士団にいないルノーくんの話です
    創作しすぎて原作の影も形もないです。すみません……

    続きはあるかもしれないしないかもしれない……
    その町はずれにある小さな教会に立ち入った時、男は思わず視線を上げた。入ってすぐ、床にちらちらと光る七色の陽光は、壁の上部に作られたステンドグラスを通して映し出されたものだった。前時代の様相ながら、精巧に作り込まれている。思わず感嘆の吐息が漏れる。昼間なのに人の気配はない。中の空気は少し埃臭いが、男の心を落ち着かせるには十分な場所だった。旅の合間を縫ってまでここに来た甲斐があったと思った。
    彼は一介の楽士であった。客に雇われてそのハープを弾きならしては、賞賛の声を与えられた。彼はまだ年若く、はじめは名もない楽士ではあったが、その音楽の才と類まれなる美しい容姿から、彼の名が知れ渡るまでに時間はかからなかった。彼はいずれ正式にとある楽団の一員となり、様々な星の間を旅して演奏をするのが彼の生業となった。客は彼の音楽にみな心を動かされ、瞬く間に楽団は人気を博したが、仲間のうちには彼をよく思わない者もあった。彼を何とかして貶めたいと願う者、そのような行為を許すまいと正義を振りかざす者、2派の抗争に巻き込まれたことに耐えられず楽団を抜ける者など、彼をめぐって起こった問題は数多くあった。その中で流されたあらぬ噂から客もいつしか彼を見る目が変わっていった。……ある日、雇い主に呼び出された彼は、鞄に詰め込まれた多額の手切れ金と手持ちのハープを抱えて楽団を去ることとなった。
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