ハデス
triste_273
DONEハデスwebオンリー エアSS「ザグがタナトスに内緒にしているなんのことはない小さな秘密について」
(すいません勝手にザグタナっぽくしてしまいました…。)
リクエストありがとう御座いました!
微睡の祝福 パチリと、何の前触れもなく自然と瞳が開く。
視界に入ってくる薄闇に浮かぶ見慣れた部屋の天井を、ザグレウスはぼんやりと眺める。元々眠りが浅い性質なのか、どれだけ疲れていようと一定時間経つと必ず自然と目覚めてしまうのだ。とはいえ、目覚め方には差がある。起床と同時に水でも浴びた様にスッキリ目覚める時もあれば、夢現の境界が曖昧な微睡が継続されている時もある。今日は後者だ、自分が「どちら側」か判断がつきにくい感覚は慣れると何とも心地よい。ただずっとそうするわけにもいかず。そこからゆっくり頭が覚醒し、新たに読み込めた情報一つ一つを丁寧に確認してゆく。
自分を包む柔らかな布の感触、耳に入る館の近くを流れるステュクス河のせせらぎと、亡者の嘆きや怨嗟が溶け込んだじっとりとた空気。そして、隣で共に眠る、伴侶の寝息。
1469視界に入ってくる薄闇に浮かぶ見慣れた部屋の天井を、ザグレウスはぼんやりと眺める。元々眠りが浅い性質なのか、どれだけ疲れていようと一定時間経つと必ず自然と目覚めてしまうのだ。とはいえ、目覚め方には差がある。起床と同時に水でも浴びた様にスッキリ目覚める時もあれば、夢現の境界が曖昧な微睡が継続されている時もある。今日は後者だ、自分が「どちら側」か判断がつきにくい感覚は慣れると何とも心地よい。ただずっとそうするわけにもいかず。そこからゆっくり頭が覚醒し、新たに読み込めた情報一つ一つを丁寧に確認してゆく。
自分を包む柔らかな布の感触、耳に入る館の近くを流れるステュクス河のせせらぎと、亡者の嘆きや怨嗟が溶け込んだじっとりとた空気。そして、隣で共に眠る、伴侶の寝息。
triste_273
DONEハデスwebオンリー エアSS「タナザグを微笑ましく思うママ2人」
リクエストありがとう御座います!
母たちの昼下がり「そういえば、タナトスはすっかり大きくなって。」
湯気が立つカップを手に取りながら、ペルセポネは感慨深く呟く。湯気の向こう側に揺らめく群青色、夜の帳そのものである女神が、やはり同じように若芽色に満たされたカップをもって佇んでいた。女王の言葉に、女神ニュクスも同じように懐かしそうに眼を細めて穏やかに言葉を紡ぐ。
「……ええ、彼は立派に成長してくれました。」
「ふふ、瞬間移動で貴方の手を焼かせていたのが懐かしいわ。」
カップを口に運びながらペルセポネは微笑む。温かな液体を口に含むと、今の気持ちと同じように穏やかで、それでいて爽やかな風味が喉を抜けてゆく。この冥界の、ハデスの館の中庭で彼女が手ずから育てたハーブ……常夜のミントティーは、この穏やかな語らいにぴったりの飲み物であった。
1336湯気が立つカップを手に取りながら、ペルセポネは感慨深く呟く。湯気の向こう側に揺らめく群青色、夜の帳そのものである女神が、やはり同じように若芽色に満たされたカップをもって佇んでいた。女王の言葉に、女神ニュクスも同じように懐かしそうに眼を細めて穏やかに言葉を紡ぐ。
「……ええ、彼は立派に成長してくれました。」
「ふふ、瞬間移動で貴方の手を焼かせていたのが懐かしいわ。」
カップを口に運びながらペルセポネは微笑む。温かな液体を口に含むと、今の気持ちと同じように穏やかで、それでいて爽やかな風味が喉を抜けてゆく。この冥界の、ハデスの館の中庭で彼女が手ずから育てたハーブ……常夜のミントティーは、この穏やかな語らいにぴったりの飲み物であった。
triste_273
DONEハデスwebオンリー エアSS。タナトス×ザグレウスで、「独占欲(嫉妬)に駆られるタナトス(もしくはザグレウス)」
リクエストありがとう御座いました!
小さな燻り 冥府の王子、と聞くと多くの者は最初は恐れる事だろう。冥界の支配者、冥王ハデスの息子……父王同様に冷酷で容赦なく、無慈悲な神であろうと。
所が、実際に王子と対面すると多くの亡者は唖然とする。王子は冥王とあまりに違うからだ。確かに王子は「神の子」というのもあり、その片目は冥王と同じ漆黒の中に浮かぶ炎を宿し、両脚は常に赤々と燃え上がり、タルタロスの亡者たちは「見えざる恐怖」と呼ぶほどに武勲に長けている。
だが、人間と同じくらいの背格好、健康的な血の気を帯びた肌、艶々とした濡れ羽色の髪、朗らかで人懐っこい笑顔。何より……王子は会話を好む、それは自身と同じ冥神達だけに限らず、使用人や館を歩く「ただの亡者」とさえも、気さくに会話を試みる。その有様を「神らしくない」と父王や他の神に咎められている場面も多数目撃されているが……王子は気に留める様子はなかった。
2388所が、実際に王子と対面すると多くの亡者は唖然とする。王子は冥王とあまりに違うからだ。確かに王子は「神の子」というのもあり、その片目は冥王と同じ漆黒の中に浮かぶ炎を宿し、両脚は常に赤々と燃え上がり、タルタロスの亡者たちは「見えざる恐怖」と呼ぶほどに武勲に長けている。
だが、人間と同じくらいの背格好、健康的な血の気を帯びた肌、艶々とした濡れ羽色の髪、朗らかで人懐っこい笑顔。何より……王子は会話を好む、それは自身と同じ冥神達だけに限らず、使用人や館を歩く「ただの亡者」とさえも、気さくに会話を試みる。その有様を「神らしくない」と父王や他の神に咎められている場面も多数目撃されているが……王子は気に留める様子はなかった。
triste_273
DONEハデスwebオンリーのエアss。「タナザグくっついてる世界線でそれを見ているヒュプノスの小話」
リクエストありがとう御座いました!!
柔らかな宝物 ハデスの館において、眠りの神であるヒュプノスの仕事は基本ステュクスの泉の監視と、ハデス王への謁見者の管理である。
勿論その他にも諸々の仕事を抱えている。タナトスやヘルメスより送られてくる死者数のリストアップ、カロンが送ってきた死者の整列、ハデス王への謁見者の書類作成と整理などなど……すべてを彼一人が行っているわけではないが、それでも本来「居眠り」する暇もないほどの仕事を抱えている。
なので、時としてヒュプノスも持ち場となる謁見の間を離れることがある。特に書類整理は廊下の真ん中では行えない。場合によっては執務室を使う事が多く、その時も瞬間移動を使うのが常であった。
だから「たまには歩いて行こう」などと本当に、本当にただの気まぐれだった。だがその気まぐれのお陰で、かの神は普段目にしない光景を見ることとなる。
1540勿論その他にも諸々の仕事を抱えている。タナトスやヘルメスより送られてくる死者数のリストアップ、カロンが送ってきた死者の整列、ハデス王への謁見者の書類作成と整理などなど……すべてを彼一人が行っているわけではないが、それでも本来「居眠り」する暇もないほどの仕事を抱えている。
なので、時としてヒュプノスも持ち場となる謁見の間を離れることがある。特に書類整理は廊下の真ん中では行えない。場合によっては執務室を使う事が多く、その時も瞬間移動を使うのが常であった。
だから「たまには歩いて行こう」などと本当に、本当にただの気まぐれだった。だがその気まぐれのお陰で、かの神は普段目にしない光景を見ることとなる。
bmbnabari
DONE #8h_arlkansrアロルク8時間アンソロ提出作品
『甘ったれハデスの目覚め』
あちこちのネタバレが入ってます。
また、ネップリをご利用くださった方々、まとめページをご覧くださった方々に心から感謝申し上げます。 11
さくま
DONE滑り込みキスの日に乾杯!キスの日TLだったので、キスをしているドロ最高じゃん。弊ドロのキスはですねぇ……。
と思い出せば何もしてなかったので、取り急ぎキスさせました。
初めてのキスに執着をジョンもいないし、ロナルドくんが寝てしまうと、珍しく本当に静かな夜だな。
思わずため息をつく。退屈は吸血鬼を殺してしまう。
ロナルドくんは朝の燃やすごみの日に備えて寝た。
いまはもう夢の中のようで、すやすやと規則正しい寝息を立てている。
寝顔を堂々と見られるのは、同棲中の恋人の特権かもしれない。
可愛い顔にキスをしたくなるが、起こしてはいけないのでぐっと耐えることにする。
ロナルドくんの朝食を作り終えて、家事が一通り終わった。
ツイッターを開いて、トレンドを確認する。
#キスの日
確か「はたちの青春」という映画が公開されたことが由来だったっけ。
へぇ、今日キスの日なんだ。
日本人はこういうイベント事、本当に好きだよね。
4073思わずため息をつく。退屈は吸血鬼を殺してしまう。
ロナルドくんは朝の燃やすごみの日に備えて寝た。
いまはもう夢の中のようで、すやすやと規則正しい寝息を立てている。
寝顔を堂々と見られるのは、同棲中の恋人の特権かもしれない。
可愛い顔にキスをしたくなるが、起こしてはいけないのでぐっと耐えることにする。
ロナルドくんの朝食を作り終えて、家事が一通り終わった。
ツイッターを開いて、トレンドを確認する。
#キスの日
確か「はたちの青春」という映画が公開されたことが由来だったっけ。
へぇ、今日キスの日なんだ。
日本人はこういうイベント事、本当に好きだよね。
Mokmo17
DOODLEネモフィラが終わりよるナてなりながら書いたやつネモフィラの神話のアレ夫にとっとと死なれた女が冥府の門迄いって門を開けようとするけど死者にしか開けられない門だから無理(加持と残りたかったを見出すワテ)で、悲しんでる女を見たハデスが哀れに思ってネモフィラに変えてあげる(流石の神視点)(扉開けて)みたいな。
花言葉に荘厳とあなたを許しますが入ってるのすっげぇ艦長見出しちゃうな~
endlesssummernl
DONEハデス夢 桜の季節は終わりましたがふと考えていたもの春の花※当然のように冥界暮らし
「なあ、地上に花を見に行かないか?」
ハデスに提案され、二つ返事で頷いた。花を見たいという気持ちもあったのだが、誘うハデスの顔にわくわくしている心が滲んでいたので、断ろうだなんて微塵も思いつかなかった。
冥界で過ごしていると季節の変化は乏しいのでよく分からなかったが、いつの間にか春の季節がやって来ていたらしい。地上に出ると青々とした緑や花々の彩りが美しく輝いていた。
しかし、それよりも太陽の眩しさがたまらない。目が眩むほど明るいので、すぐに外へ飛び出す訳には行かなかった。
「ははっ、まだこの差には慣れないか?急がなくても今日一日で花が散り終えることは無いさ、ゆっくりして行こうぜ」
2506「なあ、地上に花を見に行かないか?」
ハデスに提案され、二つ返事で頷いた。花を見たいという気持ちもあったのだが、誘うハデスの顔にわくわくしている心が滲んでいたので、断ろうだなんて微塵も思いつかなかった。
冥界で過ごしていると季節の変化は乏しいのでよく分からなかったが、いつの間にか春の季節がやって来ていたらしい。地上に出ると青々とした緑や花々の彩りが美しく輝いていた。
しかし、それよりも太陽の眩しさがたまらない。目が眩むほど明るいので、すぐに外へ飛び出す訳には行かなかった。
「ははっ、まだこの差には慣れないか?急がなくても今日一日で花が散り終えることは無いさ、ゆっくりして行こうぜ」