Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    モデル

    Ordet_er_frit_

    DONE[准牧] まぷまオンリー第3回のワンドロ企画のお題「〇〇しないと出られない部屋」の短編。
    題して「協力しないと出られない部屋」。
    史上最高に健全な出られない部屋ができました。
    デザイナーマンデル君と、モデルプレストンでおおくりします。
    協力しないと出られない部屋「喜べ、プレストン」
     その声にプレストンはめんどくさそうに振り向いた。マンデルが笑みを浮かべて立っている。
    「例の部屋がとれたぞ」
    「ほんとうか?」プレストンも思わず目を丸くした。

     ファッションウィーク中は、文字通り目が回るほど忙しい。
     ショーの前日の準備を終えたマンデルとプレストンは、足を引きずるようにホテルの部屋へ転がり込んだ。
     街でもトップクラスの高級ホテルのスイート。それに相応しい地位を築いたことへの誇らしさを感じる余裕すらないほどだ。だが、荷物を置いて一息ついたプレストンは部屋を見回して溜息をついた。
    「すごいな」
     ドアを開ければ、少しばかり廊下などがあってから、広々としたリビングが二人を迎える。テーブルには、花が生けられた大きな花瓶。床には現代彫刻のようなオブジェ、洒落たランプ。部屋を横切ってドアを開けると、これまた広々としたベッドルームと、五人くらいは寝られそうなサイズのベッド。ふわりと清潔感のある香りが漂う。ベッドルームを横切るとバスルームの白い扉。その中もこれまた広々としていて、蛇口とボウルは二セットだ。さらにバスルームとは別にシャワーブースもある。奥の扉を開けるともう一つベッドルーム。今日のベッドは別々だろうか、という疑問がプレストンの胸によぎる。
    3695

    Iam_unendurable

    DONE月には届かずとも
    ⏳「ウサギの尾の先程度には触れたか」
    ☔️「…?何か言いました?」
    ⏳「いや、何も。」
    ++++++++++++++++++++
    街の防衛システムをめちゃくちゃ捏造しました
    モデルになった作品の国が監視カメラ大国なのでこういうのもアリかなと
    Stranger in the full moon night夜も更けた暗い街の空を一人箒で飛ぶ時間が実は好きだ。
    静まり返った誰もいない街は何の意思も思惑も孕んではいない。ただそこにあるだけの、景色の街。そんな空っぽの街の空虚な空にたった一人自分を放り出して、まるでこの世界の全てを掌握したような、この世界の全てから置き去りにされたような、そんな気持ちで景色を眺めるのだ。
    「月が明るいな…」
    今日はどうやら満月のようで、雲一つない──とまではいかずともまばらな水蒸気の塊は月を遮ることもなく夜空をゆっくりと漂っている。初秋の夜の空気は清涼で、火照った思考を冷ますのには丁度良い。
    一人ぼっちだから何でも出来る。何をしても咎められやしない。らしくなく弱音を吐いても誰も聞いていないし、声をあげて泣いても誰にも聞こえない。ぼんやりと考え事をしても誰にも邪魔されないし、独り言を呟いても反応する者はいない。ここではいつもそうだ。とは言え別に弱音を吐いたり泣いたりした事は無い。ここでいつも一人で考え事をしている。孤独を色濃く感じられるこの場所では、誰にも邪魔されず存分に思考に沈む事が出来るから。今日もそのつもりでいたのだ、が──…
    5086