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    モモ

    しんした

    DOODLE呪専七灰。
    寒さに弱い七海のとある冬の朝の一コマ。
    付き合ってちょっと経ってるふたりです。
    甘えんぼの七海(でももうちょっとちゃんとしたいと思っている)と包容力がめちゃ広い灰原くんが好きです。

    気が向いたら生存if七灰の続きも書きたいです。
    寒さに弱い七海の七灰.





    冬はあまり好きではない。
    低温の中ではどうしても身体は動きににくくなるくせに、体温調整の為に消費カロリーは増えてしまう。それに、冬季うつと呼ばれる季節性感情障害から生じる人間の陰気は、呪術師にとっても大いに関係してくる部分である。生理的な面からも精神的な面からも、効率を考えると恒温動物である人間も進化の過程で冬眠というシステムを取り入れるべきだったのだ。
    なんて馬鹿げた理論を展開したくなるくらい、冬は憂鬱な時期だった。
    けれど。今年の冬は、今までと少し違っていた。





    ふと、意識が浅いところまで浮上した。
    頭はまだ目覚めきっていないが、キンと冷たい空気が鼻を抜けて反射的に身体がこわばった。どうやら、しっかり被っていたはずの掛け布団がずれているらしい。高専の寮は築年数が古く、木造ということもあって隙間だらけ。本格的な冬が訪れてからというもの、隙間風と底冷えの影響で朝方に吐く息が白くなることも日常茶飯事だった。
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