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    ライガー

    ちんだて

    DONE完全捏造設定。だてちん時空。ライガーちゃんの話。
    すてきなおたんじょうびメタルビースト。機械と有機物の融合によって新たに産み出された生命体。そのメタルビースト・シリーズの中でもおれたちは製造過程が特別だった。ゲッターチームの細胞を採取・培養。DNAに刻まれた遺伝子情報をコピーし、そこから身体能力や思考能力を操作され、ありとあらゆる環境下や戦闘状況への適応ができ、生身、ロボット搭乗時問わずに戦うことの可能な、文字通り完璧な存在のひとつとしておれは造られた。ちなみにおれは神隼人の遺伝子から生まれた。でも、なんのためだったんだろう。だれが、なんのために?今となってはわからない。

    カプセルの中の培養液に浸かっていたおれは、外の世界にほのかに憧れを抱いていた。いつか外に出られたら、自由に空を飛んでみたいなと思っていた。けれど培養液の中は謂わば羊水。温かくて心地よくて、あたまがぼーっとして、いつか外に出られればいいなとは思っていたけれど、出られなければそれでいいとも思っていた。憧れとともに、外の世界には怖いものがいっぱいあるらしいとも教育されていた。だから、外に出たいと思いながらも、ずっとこのままここにいてもなにも怖いことなんてなく生きられると。どうにでもなっていいと、そう思っていた。
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