元気玉
ちゅきこ
PROGRESSタイトルも決まってない諸景情趣つづき冒頭。書きっぱなし誤脱あるかもごめんなさい。
頑張って書きたいので元気玉ください!
諸景情趣20しんしんと雪の降る気配が障子越しに感じられる。傍の火鉢で赤くなった炭がぱちんと小さく爆ぜる。舞い上がる小さな火の粉が煤になって畳間に溶けるまで、辺りは怖いくらいに静かだった。年跨ぎの挨拶を済ませた本丸は往来の喧騒や宴会の賑やかしい声も無く、輪番の遠征と内番の他は、各々の刀派や誼みの面々で過ごすことになる。
戦帰りに手入をした大倶利伽羅が目覚めなくなってから半月過ぎようとしていた。
手入部屋から居室に移ってからは、僕は専ら彼の寝床の傍へついていた。長く厨番から外れても咎められないのは、二振目、つまりもう一振の燭台切光忠が代わりに仕事をしてくれているからで、時折回廊で出会すと、この頃出門がないのでいい役を貰ったと言って僕を気遣うように笑うのだった。
1800戦帰りに手入をした大倶利伽羅が目覚めなくなってから半月過ぎようとしていた。
手入部屋から居室に移ってからは、僕は専ら彼の寝床の傍へついていた。長く厨番から外れても咎められないのは、二振目、つまりもう一振の燭台切光忠が代わりに仕事をしてくれているからで、時折回廊で出会すと、この頃出門がないのでいい役を貰ったと言って僕を気遣うように笑うのだった。