卯月巻緒
endoumemoP
DONE卯月巻緒と水嶋咲:10年先まで:ダンスの練習をする巻緒に咲ちゃんが差し入れをする話卯月巻緒と水嶋咲:10年先まで:ダンスの練習をする巻緒に咲ちゃんが差し入れをする話 レッスンスタジオから漏れ聞こえる音が止んだタイミングを見計らい、水嶋咲はドアを開けた。
「ロール!」
スタジオの冷房は強く、部屋に向かって踏み出す咲の頬を涼風が撫でる。呼びかけられた卯月巻緒が咲に向き直ると、髪先に溜まっていた汗が散った。
「咲ちゃん。来てくれたんだ」
「うん! これ、そういちろうとプロデューサーから差し入れだよ!」
咲が持つビニール袋の中にはレアチーズケーキとペットボトルのスポーツドリンク。巻緒が歓声を上げると咲は口元を綻ばせ、二人は床に座ってささやかなティータイムを始める。
「――ダンス、どう?」
「難しいけど、少しずつ踊れるところも増えてきたよ」
東雲荘一郎が作るレアチーズケーキは舌に乗せるとじわりと溶ける。その美味を堪能しながらも、巻緒の爪先は練習中のワンホール=ワンダーランド! のリズムを取っていた。
828「ロール!」
スタジオの冷房は強く、部屋に向かって踏み出す咲の頬を涼風が撫でる。呼びかけられた卯月巻緒が咲に向き直ると、髪先に溜まっていた汗が散った。
「咲ちゃん。来てくれたんだ」
「うん! これ、そういちろうとプロデューサーから差し入れだよ!」
咲が持つビニール袋の中にはレアチーズケーキとペットボトルのスポーツドリンク。巻緒が歓声を上げると咲は口元を綻ばせ、二人は床に座ってささやかなティータイムを始める。
「――ダンス、どう?」
「難しいけど、少しずつ踊れるところも増えてきたよ」
東雲荘一郎が作るレアチーズケーキは舌に乗せるとじわりと溶ける。その美味を堪能しながらも、巻緒の爪先は練習中のワンホール=ワンダーランド! のリズムを取っていた。
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DONE卯月巻緒と東雲荘一郎:食べるジュエルと:東雲の試作ケーキを巻緒が食べる話卯月巻緒と東雲荘一郎:食べるジュエルと:東雲の試作ケーキを巻緒が食べる話「荘一郎さん、これは……!」
目の前に置かれた皿の上、煌めく深紅は卯月巻緒の顔を反射させる。
「まだ試作ですが。ベリーのゼリーに、タルト生地とカスタードクリームを合わせました」
「これ……イチゴですか⁉」
ひっそりと佇むゼリーの中、閉じ込められたイチゴは断面を見せていた。表面の赤から内側の白のグラデーションの麗しさに鼓動を早めながら、巻緒は上気させた頬を東雲荘一郎へ向ける。
「今年は国産イチゴが高いって聞きましたけど、それでもイチゴを使うんですね! すごいなぁ……!」
「この季節にはイチゴの赤が似合いますから。……もっとも、他のベリーも入れたので、使うイチゴは節約したんですよ」
「確かに!」巻緒の相槌は荘一郎の言葉に重なる。「ラズベリーと、ブルーベリーも……すごい、ベリー尽くしで贅沢ですね! 宝石みたいだなあ……!」
642目の前に置かれた皿の上、煌めく深紅は卯月巻緒の顔を反射させる。
「まだ試作ですが。ベリーのゼリーに、タルト生地とカスタードクリームを合わせました」
「これ……イチゴですか⁉」
ひっそりと佇むゼリーの中、閉じ込められたイチゴは断面を見せていた。表面の赤から内側の白のグラデーションの麗しさに鼓動を早めながら、巻緒は上気させた頬を東雲荘一郎へ向ける。
「今年は国産イチゴが高いって聞きましたけど、それでもイチゴを使うんですね! すごいなぁ……!」
「この季節にはイチゴの赤が似合いますから。……もっとも、他のベリーも入れたので、使うイチゴは節約したんですよ」
「確かに!」巻緒の相槌は荘一郎の言葉に重なる。「ラズベリーと、ブルーベリーも……すごい、ベリー尽くしで贅沢ですね! 宝石みたいだなあ……!」