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    ngw

    PAST2024年1月に発行したネロファウ同人誌のWEB再録です。
    もしもファウストがアレクに裏切られなかったら?というもしもの妄想で大盛り上がりしてしまい書きました。
    中央の国でえらい人になったファウストと料理屋のネロが恋に落ちるラブコメです。
    ネファメインでレノフィも含む下品な無配→ https://poipiku.com/1697192/11265598.html
    たとえば、週に一度来るガレットと酒が好きな客 注意書き

     この話には宗教に関する描写があります。それらは複数の宗教を参考にした本作オリジナルのものであり、また、特定の宗教や宗教そのものを礼賛したり貶めたりする意図はありません。
     そして、原作改変と捏造しかありません。

     以上をご承知おきください。


     1

     俺が中央の国の王都にやって来たのは少し前のことだ。
     街の中央には王族が政治を執り行うグランヴェル城があり、その周囲には城下町が広がっている。城を中心に住宅がひしめき合い、あちこちにマーケットや飲食店があり、住人は明るく誠実で、街角では挨拶や笑い声が響いていて活気がある。インフラも、快適に生活できるよう行き届いた整備がされており、適度に人と人の間に距離感があった。西の国のように派手ではないものの国は豊かで、道ゆく市民の表情にも余裕がある。国土の四方を他国に囲まれているため、隣国との関係がピリついているのだろうと予想していたのに、入国してみれば拍子抜けするほど平和だった。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
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