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    コナギ

    MOURNING以前、ワンドロ用に書いたもののボツにしたSSです。せっかく書いたので置かせていただきます。
    お題元:さめししワンドロさん「写真」
    (お題配布時期からだいぶ経っているため、タグ不使用とさせていただきます)

    ★男性同士の結婚描写があります。
    さめししSS 私が写真で褒められたのは、七五三あたりが最後だったのではなかろうか。その後もありとあらゆる場面で家族写真や集合写真を撮られたが、話題はほとんど兄の朗らかな笑顔に集中していた。私もそれが当然だと思っていたし、自分の写真になど何一つ興味はなかった。
     だが、それがブライダル写真とあれば話は別だ。今の私は確実に危機に瀕している。開いたスケジュール手帳には、今日から三日後の日付のところに、間違いなく自分の筆跡で「写真館」と記してあった。そして私はスマホのトーク画面と見比べる。そこには先日叶に撮られた写真がいくつか送られてきていた。
     顔色が、悪い。頬はこんなにも青白く、暗い隈を際立たせている。叶が持参したライトが眩しすぎたというのは、共に写る他四人が健康的な肌色をしているので言い訳にならない。これはつまり、私があまりにも写真写りが悪いということなのではないか。
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    moommmoom2

    SPUR MEヒスサス(ヒス×サスペンダー男)の書きかけ
    女攻めwebオンリー用に書こうかなと思っているものです。
    今のところ全年齢。今後はちょっと迷ってます。
    多少晒さないと書けなそうなので尻叩きに載せる。
    書きかけなので急に終わります。

    2025/08/20追記
     死ぬ時に思い出すなら、あの日のことかもしれないと思っている光景がある。
     子供の頃、ぼんやりと晴れた日の午後、生まれてからずっと変わらない小さな田舎の探検なんてとうにやり尽くして暇を持て余した俺たちは、農園の柵の中で働く無口な少女に、からかい半分声をかけた。
     学校に来ることもなく、表情に乏しく、自分達よりは、むしろ飼われている羊や牛と同類に見えた少女。いつも小汚い格好をして、鼻水を垂らしていることも多かった。
     何て声をかけたのかは覚えていないが、全く相手にされず、つまらないなと思っているうち、一人が石を投げ始めた。少女は驚いて持っていた桶を地面に落とし、腕で頭を庇った。
     俺は面白くなかった。
     石を投げ始めたそいつなんかと違って、俺はその少女がちょっとかわいいことに気が付いていた。話をして、柵から出て一緒に遊ぼうと誘って、そうして笑いかけてくれでもしたら、きっとうんとかわいいだろうってことにも。
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