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    Hiyokonobf

    DOODLEシュイチロは室町軸でも現パロでも、トメサブロウのためなら色んなことを純粋に素直に手放してしまうんだろうなという書きなぐり。
    お力添えします!「守一郎、三木ヱ門、準備はできたか」
     障子の向こうから名前を呼ばれ、ちょうど私服に着替え終えたところだったふたりは、顔を見合わせて立ち上がった。
    「すまない、お待たせ!」
     守一郎がすらりと障子をひらくと、廊下には守一郎、三木ヱ門以外の四年生――タカ丸、滝夜叉丸、喜八郎がそろっていて、その姿は私服だった。
     ラフな柄の私服姿は見慣れなく、守一郎は少しそわそわしてしまう。そして今日のこれからの予定を考えると、なおさら。
    「タカ丸さんのおすすめの団子屋、楽しみだな」
    「スターである私が立ち寄るのに、相応しい店だといいのだが……」
    「喜八郎、踏子ちゃん持っていくの?」
    「どこで必要になるか分からないですから」
     口々に、てんでに会話をしながらぞろぞろと正門に向かう。傍から見れば、仲がいいのだかよくないのだか、噛み合っているのかいないのかよく分からないけれど、四年生はこれが平常運転だ。誰もとくに気にしてもいないし、みんな居心地がいいので、これでいいのだ。これで十分、バランスがとれている。
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    Rhea_season

    DONE紅花√END後のリンレト。私の脳内では、小さな町でブックカフェを経営してのんびり暮らしているので、そんなある日の出来事程度ななにか。

    深謀遠慮
    深く考えを巡らし、のちのちの遠い先のことまで見通した周到綿密な計画を立てること。また、その計画
    深謀遠慮 店の扉が静かに閉まり、最後の客の気配が遠のいていった。午後の陽ざしが斜めに差し込むブックカフェには、ようやく深い静寂が戻ってくる。

     ベレトは、カウンター奥で片づけをしながら小さく息をついた。いつものように、最後まで客の話を聞いていたせいで、座る暇もないまま気づけば営業時間を越えてしまったらしい。

     そんなベレトとは対照的に、リンハルトは店の奥のキッチンスペースで、遅めの昼食の準備に取りかかっていた。といっても、冷蔵庫にあった作り置きのサンドイッチを二人分、白い皿に移し替えるだけの、ごく簡単なものだった。それでも食材が乾かないよう、ひとつずつ蝋引き紙で包まれていたため、それを綺麗に剥がして、具が崩れないように慎重に移し替えるのは見た目以上に気を使う作業だった。崩れやすいレタスや、はみ出しかけたチーズには、そっと指先を添えて形を整え、崩れないように静かに支えながら皿へと移していく。
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