荒木荘
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CAN’T MAKE荒木荘 カーズとDIOのわちゃわちゃ 書きかけを発掘 木枯らしの吹く季節のアパートに、ひと際大きな音が響く。閑静な住宅街には、およそ似つかわしくない破壊音である。日没直後の薄闇の中、こぢんまりと建つアパートの一室で、その音を出した張本人は、ぎょっとした表情してさっと顔を上げた。それまで、部屋の外まで響く声で、きゃあきゃあと騒いでいた興奮の心を一瞬で冷やし、浮ついた気持ちをたちまちに現実に引き戻すのは、目の前で事件が起こったからである。また吉影に怒られる、という考えが咄嗟に頭を掠め、DIOは、内心ひやりと冷や汗をかいた。いつものことながら、なにかしでかしてから、初めてそのことの重大な様を理解するDIO、このときも、はっと我に返ったのは、部屋の壁に穴を開けてからであった。
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