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    橋わたり/ゲーム用アカウント

    DOODLEリマスター発売日一ヶ月おめでとうSS(遅刻)
    大怪我したライドウと、あわあわするゴウトと鳴海さんの話。再熱に煽られ勢いだけで書いてしまったので、色々間違えてるかもしれませんがお許しください。
    カップリング要素は無しのつもりで書きましたが、鳴ライが原動力の生産ラインで製造されておりますのでご留意ください。
    常用薄明の頃 獣の手足というのは、本当に足しに成らぬ。

     とうとう膝を付き、蹲って動かなくなってしまった書生の、その付いた膝から伝う紅い生命の筋が地面へ落ちていくのを、唯々見ている事しか出来ないとは。
     ゴウトは黒い芋虫のように手足を引っ込め、固まってしまった教え子の周りをうろうろと回りながら、声の限りに呼びかけた。
    『ライドウ、ライドウ』
     原因は解っている。
     羅刹天の揮った刃が仙骨の少し上、命門の辺りを深く抉っていったのだ。
     臓に達してはいないようだが――もしそうだったらこの量の血では済まない――刻々と流れていくそれは、もう赤い水溜りになり始めていた。
    『目を覚ませ、ライドウの名が廃るぞ!』
     常であれば、叱咤一つでその薄い瞼を抉じ開けて、すまない、油断した、とその両脚で聢と立ち上がり前へと邁進していく里の麒麟児が、今日ばかりは少しとも動いてはくれない。
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