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    ririri_enst

    MAIKING(薫くんの接待疲れの別パターン的な感じで書き終えたいやつ)退寮後同棲設定
    零ちゃんが倒れる話疲れた、その一言にすぎる。ポケットからスマホを取り出し画面をつけると時刻は深夜二時半を回ったところだった。二十歳の誕生日を迎えてからと言うものの、お偉方との接待では酒を勧められ飲まされることも増えて来た。打ち上げだのなんとか会だの、理由をつけては飲み会を開くことが多い環境で、しかも二次会三次会まで続くことはザラにあるのだ。今日も「朔間くん、UNDEADのこれから先のことで話をしたいことが山ほどあるんだ。そのついでに一緒に食事でもどうだい?」と笑顔で含みを持たせた上層部の人間に誘われれば「ありがとうございます。ぜひご一緒させてください」以外に言えるはずもなく。天使のように可愛らしい顔をして悪魔のようなことを言う傍輩の方が数百倍も面白い話を聞かせてくれるだろうと思うくらいに下卑たくだらない話が続くのだ。愛想笑いを貼り付けながら浴びるように酒を飲まされ、こちらが抵抗できないのを良いことにあられもないところまで手を伸ばされたりもしたのだが、怪しい薬を盛られてホテルに連れていかれることも泥酔することもなくなんとか薫と住む家まで辿り着けたのは褒められたことだろう。
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    mkm_ao

    MENU🍳「おまえとふたりで朝食を」A5/30ページ 2022/3/27発行
    掌編連作ごはん本。
    9話後、南城が桜屋敷邸に泊まり込みで薫の日常生活を手伝っている設定。
    両片想い→告白&両想いに至るまで。

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    おまえとふたりで朝食を憂愁のカルボナーラ「来週には脚のギプスが外れることになった」
    「おお、よかったじゃねぇか」
     ランチ営業が終わるタイミングでシア・ラ・ルーチェに立ち寄った薫が診察の結果を告げると、虎次郎は破顔した。
    「リハビリは必要だがな」
     もう、おまえの手を借りずとも生活に支障はない——そう伝えれば、今度は眉間にシワを刻む。
    「うれしくないのか?」
     薫の指摘に虎次郎は「あ〜……」と相槌ともつかない声を漏らして厨房へと入り、「パスタでいいかぁ?」と間延びした口調で訊いてきた。
    「任せる」
     愛抱夢にボードで殴打されて負傷したあと、薫は一時的に実家に戻るか、手伝いを雇って自宅での生活を続けるかの選択を迫られた。そこへ「俺が手伝うよ」と虎次郎が名乗りを上げたのだ。確かに虎次郎ならば、薫を抱き上げて介助できる腕力があるし、気心も知れている。何より、美味い飯にありつけることが約束されているではないか。薫に否やはなかった。
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