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    mith3308

    DONE2024年5月5日SUPER COMIC CITY 31に発行予定の
    ファウ晶♂の新刊サンプルです。一章を公開しています!
    親愛と恋慕で葛藤する晶くんと、それを知っていて遠ざけるファウストの話です。
    たくさんすれ違いさせたいです。ハッピーエンドです。
    魔法使いたちを書くの楽しいんですが読める代物が書けているのか心配ですが…
    覗いてくださっただけで嬉しいです!楽しんでいただけるように頑張ります。
    Night and Day. 真っ青な大空が地の果てまで続いている。遥か遠くにある荒々しい岩肌を持つ山々が、大空に喰らいつくように、剣を天に衝き立てたような稜線を重ねていた。昼を過ぎて傾いた太陽の光が、雄麗な山脈を白く光らせている。尾根を境目に、影絵のように片方の面が、黒く塗りつぶされていて、稜線を重ねたいくつもの山が、一枚の黒い大きな岩のようにも見えた。
     晶は、雄大な景色を見渡しながら、この山の一部になるような気持ちで、大きく息を吸った。草の香りを多く含んだ空気は瑞々しく、身体が満たされていく。あまり、元の世界では身近になかった空気だった。
    「賢者!」
     澄んだ空気を、楽しげな声が伝ってくる。
     晶は、山脈から視線を外して振り返った。短い草が生えた急な斜面を、運搬用のそりに乗って、ものすごいスピードで滑り降りているシノが、手を振っている。
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    明幸(日月)

    DONE(横)秀の字(&藤吉郎)と2人の少年の話。暗影篇終了〜旭光篇開始の間らへん(前作『殿からの褒美と近江の城』の続き)から始まるけど前作との繋がりはほとんど無し。夢路篇の台詞やバトルをはじめ色々と改変しているので注意。秀の字の性別は決まっていないけど身長は藤吉郎より頭1つ分以上高いイメージ。書きたい場面だけ書いたので話の内容が全体的にツギハギ気味かもしれない。※過去作再掲
    二本の青き槍 天正元年(一五七三年)。
     陽光をうつし輝く水面みなもをふたりは半刻ほど見つめていた。
    「…さて、茶屋でも寄って帰るか」
     やがてひとりは腰を上げ、いそいそと歩き出す。隣に座っていたもうひとりも立ち上がりそれに続く。

     琵琶湖。
     近江国の中心に存在する湖の名である。その規模は小国ひとつ分に匹敵し、内陸地に突如あらわれた海かと見まごうほどであった。
     ここから東に位置する今浜の町を長浜と改め、湖畔への築城を企てる新たな領主がふたり。
    「水門を作って、船で直接城に出入りできたら面白いと思わねえか?」
     軽い足取りで熱弁をふるうは藤吉郎。それを横目にもの言わず首を振るは秀千代。
     〝秀吉〟と称された、織田信長配下の武将たちである。
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