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    鈴蘭

    tomahouren

    MAIKINGシトロニア幼少時に、ザフラに潜入してる千景さん(女装・偽名は鈴蘭)の話。続きます。
    『オイディプスの鈴蘭』1(シトロン、千景)鈴蘭の花、触ってはいけないよ
    毒があるから

    青い宝石、見惚れてはいけないよ
    不幸を呼ぶから


    『オイディプスの鈴蘭』


     晴れ渡るザフラの青い空に現王の誕生日を祝う白い花びらが舞っていた。花の多いザフラが、一年で最も花の咲き誇る芳しい季節。王の産まれた日である今日は国の祝日として制定されており、街の大通りを王が馬車に乗って盛大なパレードを執り行う事が毎年の慣例になっている。
     王の乗る馬車、その隣の座席に座らされた幼いシトロニアは、ザフラ首都一番の大通りを埋め尽くす人々、そして建物の窓からも花に負けないほど華やかな笑顔で籠から花びらを撒く人々に向けて、王族として相応しい柔らかな笑顔を浮かべ手を振った。
     シトロニアの実父であるザフラ王は芸術をとても愛していると諸外国にも広く知れ渡り、国をあげて芸術文化を奨励していた。先頭を歩く国家おかかえ楽隊のマーチに合わせて、王に気に入られようと道端から歌声自慢の男が馬車を見上げ祝いの歌声を響かせる。王に捧げられた歌に、馬車から王は満足そうに微笑んで見せる。
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    kyk_kokage

    DONE鈴蘭の過去妄想。考察とかじゃなくて、まるっと丸ごと妄想と捏造。鈴蘭への夢詰め込みまくり。円盤特典の設定資料とかで鈴蘭の詳細がいくらか分かるんだろうけど、その前に自分の妄想を形にしておきたかった。なんなら最終回で何か判明して齟齬が出るかもしれないけど。でも何も知らないから書けるものもあるからと思いました!以上、言い訳でした!
    或る僧侶の独白――僕が僧侶になった理由? そんな珍しいものでもないよぉ。
    僕の生家は奥羽の方の商家でさ。昔はそれなりに裕福だったみたいなんだけど、ほら、あれがあったじゃない? 天保のさ。そう、飢饉。
    あれですっかり蓄えが尽きちゃったみたいで。一番幼かった僕が、お寺に入れられることになったんだよねぇ。
    あ、そんな辛い話じゃないから。そりゃ、家族と離れるのは寂しかったけど……慣れちゃえば、そんなに悪いものでもなかったんだよね。
    僕って、ちっちゃい頃、泣き虫で力もなくてさ、近所の歳の近い子たちによくいじめられてたんだ。女みたいだって。だから、そのいじめっ子たちから離れられるんだと思えば、むしろ嬉しかったくらいで。
    お寺はさ、そりゃまぁ楽なことばかりじゃなかったけど……毎日の早起きとか掃除とかさ。北の方だったから冬の朝とかすっごく辛かった!
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