飛行艇
niesugiyasio
PAST原作軸エルリ連作短編集『花』から再録14『まなざし』オディハから飛び立った飛行艇の中でリヴァイは思う。
まなざしいつだったか、お前と、話したことがあったな。
何のために生まれてきたか、何のために生きているかというような話だ。
俺はこんなふうに答えたかと思う。誰かの胸に種を残すためじゃねぇかと。遺志という名の種だ。
俺のまわりで生きて死んでいった奴らを思い返し、そう考えた。俺自身については、考えるのを放棄した。考えるより先に体が動くたちだからな。
だがこの頃、わかってきた。
俺は何のために生きているのか。残された種を育てるためだ。遺志という名の種が、芽を出し、育って、花を咲かせ、実を結ぶ。そんな未来のために、生き続けている。
お前の残した遺志が俺に力を与える。そういった言葉を、俺はかけたこともあればかけ損ねたこともあるが、いつだって気持ちは同じだった。
1274何のために生まれてきたか、何のために生きているかというような話だ。
俺はこんなふうに答えたかと思う。誰かの胸に種を残すためじゃねぇかと。遺志という名の種だ。
俺のまわりで生きて死んでいった奴らを思い返し、そう考えた。俺自身については、考えるのを放棄した。考えるより先に体が動くたちだからな。
だがこの頃、わかってきた。
俺は何のために生きているのか。残された種を育てるためだ。遺志という名の種が、芽を出し、育って、花を咲かせ、実を結ぶ。そんな未来のために、生き続けている。
お前の残した遺志が俺に力を与える。そういった言葉を、俺はかけたこともあればかけ損ねたこともあるが、いつだって気持ちは同じだった。