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    2024年

    tomoshi

    DONE手助けのお礼に長嶺が見返りを要求するも、小日向がボケ倒す話。いちゃいちゃしたり、すれ違ったりしてます。(※2024年にプレイした乙女ゲームのなかで、コルダ3AS至誠館が一番楽しかったので書きました)
    心ばかりではございますが

    休日の昼下がり。秋晴れの空から光が差し込む台所に、爽やかなレモンの香りが広がる。オーブンを開けて天板を取り出せば、キレイにふくらんだマフィンがようやくお目見えだ。

    「うん、いい感じ」

    友達から教えてもらったレシピは、まさに完璧。あとは冷めるのを待つだけだ。冷めたら彼に「一緒に食べよう」とメールを送ってみよう。でも、まずは片付けをしなければ。とりあえず、レシピの紙をなくしてしまわないように、再びクリアファイルのなかに戻そうとして――私は嫌なものを見つけてしまう。

    「すっかり、忘れてた」

    現代文の授業で出された課題レポート。レポートの内容を発表するプレゼンは確かずっと先だと記憶していたが……もしかして。おそるおそる赤枠で囲まれた日付を確認してみると、締切は、なんと明日だった。なにかひとつでも決まっていれば取り組みやすいのだけれど、学生の自主性を促すために設定された“テーマ不問”という文字が、今は恨めしい。
    10022

    utpr_hinabinahi

    PAST2024/12/1DRFesでの無配の再録です。
    2024年の夏のばふぱにて公開したお話を加筆修正しまくりました。
    宜しくお願いします!
    素直じゃないファーストキス その時、オレの唇に柔らかい感触を感じた。

    ***

     何てことない昼休みだった。いつも通り二人で空き教室で昼メシを食って、くだらないこと駄弁って、千冬がケータイで撮ったペケJの写真を一緒に見て。昼休みだからキッチリ結んでいた髪をほどきメガネも外して、オレはリラックスしていた。
     床に並んで座っている千冬の手元にある小さい画面を覗き込もうとした拍子に、オレの髪が肩からするりと流れて落ちた。それが千冬の手に当たり、くすぐったようだ。「くすぐってぇ~」とキャハハと笑い暴れるように左右に動くから、今度は千冬のふわふわの金髪がオレの首元をくすぐった。オレも「くすぐってぇ」と笑いながらお返しに千冬のわき腹をくすぐると、ツボに入ったのか千冬はすっげぇくすぐったそうにした。横にずれてオレの手から逃れようとするから、オレは更に追いかけてくすぐってやった。千冬もくすぐられて笑いながらオレをくすぐり返す。それが何だか面白くなって二人してくすぐり合う。オレは本当にリラックスしていたのだ。
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