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    mon

    お箸で摘む程度

    TRAININGウィルとフェイス ウィルBD
    頭に浮かんだ情景をとりあえず念写してみたものの、言いようもなく“違う”ので、とりあえず上げるがのちのち下げるもの 習作に位置づけ
    甘くかがやく(習作) 甘いかがやきを彼は纏っていた。彼に降りそそぐようなそれは、本当のところは彼が放っているものだった。
     開け放たれた扉から、人や、その人が抱える料理のいい匂いや贈り物の包装紙が立てる楽しげな音が、ひっきりなしに流れ込んでくる。日の延びてきた四月終わりといえどもうすっかり暗くなったこの時間にも、ウィルを囲む食卓は日の下めいて明るい。

    「お前なぁ!もっとかっこいいやつがあっただろ!」
    「うるさい。きれいだし、ウィルはこっちの方が好きだと思ったから選んだ」

     レンが提げてきたケーキボックスに顔を突っ込んだアキラが、すぐさま持ち主に突っかかる。ウィルが目をとがらせて、グレイは驚きながらも笑う。その様子を、少し離れたフェイスは眺めていた。昼間のトレーニング後、マリオンを筆頭に連れ立ってパンケーキを食べたと聞いたのに、テーブルには溢れ返りそうなほどのスイーツが並んでいる。食事も飴色のチキンやハニーマスタードがけのポテトフライが真ん中を占めて、見ているだけで歯が溶けそうだ。つめたいレモネードで喉を潤していたら、アルミホイルの端を器用に摘んだディノが廊下から駆けてくる。
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