XKitamaru
DOODLE尻尾パタパタしてあやす話にしようと思ったら、なんかこうなりましたw狐狸パロ 山崎は途方に暮れていた。
自分が子どもであった時分のことなど、とうの昔に忘れている。何を食べさせ、何をしてやれば良いのかもわからない。
山崎が本性を現して食いつけばひと吞みで腹の中に収まりそうなほど小さな狸がジッと自分を見つめている。
「うゆん」
どうしたものかと思案していると、胡座をかいた山崎の足の上に子狸が這い上がってきた。寒そうに身を震わせ、山崎の温もりを求めるように身体を擦り付けてくる。少なくとも「へーすけ」と名乗ったこの小さな存在には温かさが必要らしい。人の姿のままでは彼が必要とする温もりは与えられないだろう。
山崎は変化を解いて本性を平助の前にさらした。人の姿はさして大きくはないが、本来の山崎は大狐の名に恥じぬ大きさをしている。熊でさえ、山崎の姿を見ればすごすごと去って行く程度には大きい。巣穴がやけに大きいのは本性の自分を納めるためだ。
1233自分が子どもであった時分のことなど、とうの昔に忘れている。何を食べさせ、何をしてやれば良いのかもわからない。
山崎が本性を現して食いつけばひと吞みで腹の中に収まりそうなほど小さな狸がジッと自分を見つめている。
「うゆん」
どうしたものかと思案していると、胡座をかいた山崎の足の上に子狸が這い上がってきた。寒そうに身を震わせ、山崎の温もりを求めるように身体を擦り付けてくる。少なくとも「へーすけ」と名乗ったこの小さな存在には温かさが必要らしい。人の姿のままでは彼が必要とする温もりは与えられないだろう。
山崎は変化を解いて本性を平助の前にさらした。人の姿はさして大きくはないが、本来の山崎は大狐の名に恥じぬ大きさをしている。熊でさえ、山崎の姿を見ればすごすごと去って行く程度には大きい。巣穴がやけに大きいのは本性の自分を納めるためだ。
XKitamaru
DOODLETLで大流行中のあれ。狐狸話 アヤカシ、妖怪、神――様々な呼ばれ方をするが、それは人の世の都合に過ぎない。山崎は単に山崎という存在でしかない。山崎という名さえ、人がそう呼んでいるだけのものだ。気づいたらこの森にいて、何の目的もなくただ生きているだけの存在だった。
「やまらき!」
久しぶりに狐の姿で寛いでいると、そんな甲高い声と共に腹の辺りに何かが体当たりしてきた。長い毛の中に埋もれているのは、覚え立ての変化(へんげ)で人の姿になった平助だ。
「私は、あなたの母ではないので乳など出ませんよ」
腹の辺りを懸命に押しているが、生憎とそうされたところで彼に提供出来るものなど何もない。狐の顔では笑みも浮かべられないが、気持ちだけは苦笑を浮かべていうと、平助は長い山崎の毛から顔だけ出して「しってるよぉ」と口を尖らせた。
3662「やまらき!」
久しぶりに狐の姿で寛いでいると、そんな甲高い声と共に腹の辺りに何かが体当たりしてきた。長い毛の中に埋もれているのは、覚え立ての変化(へんげ)で人の姿になった平助だ。
「私は、あなたの母ではないので乳など出ませんよ」
腹の辺りを懸命に押しているが、生憎とそうされたところで彼に提供出来るものなど何もない。狐の顔では笑みも浮かべられないが、気持ちだけは苦笑を浮かべていうと、平助は長い山崎の毛から顔だけ出して「しってるよぉ」と口を尖らせた。