薬膳りんごカルピス
DOODLE後日談🔖💧🔖「そういえば吸血鬼は美しい女性ばかりを好んで血を吸うみたいですね……おや、しずくさん…」
💧「え、えっ、ちょっと栞子さん待っ──」
🔖「動かないで」
💧「…っ」
🔖「…取れました。襟元に糸くずが付いてましたよ」
💧「あ、そういうこと…」
🔖「ふふ、首筋抑えてどうしたんですか?」
153💧「え、えっ、ちょっと栞子さん待っ──」
🔖「動かないで」
💧「…っ」
🔖「…取れました。襟元に糸くずが付いてましたよ」
💧「あ、そういうこと…」
🔖「ふふ、首筋抑えてどうしたんですか?」
薬膳りんごカルピス
PASTお互いの「特別」が羨ましい、桜坂と遥ちゃんの話『硝子越しの夕陽』一面に広がる砂浜は、オレンジとピンクの絵の具を溶かし込んだような空の下、静かに波の音を反射していた。沈みゆく太陽が海を照らし、波間には揺れる金箔が散らばる。私たちの影は細長く伸び、海風がそっと頬を撫でていく。
目の前には遥さんがいる。彼方さんの妹でありながら、その穏やかな物腰はどこか姉のような落ち着きを感じさせる。不思議な人だと思う。彼方さんの柔らかさを受け継ぎながらも、彼方さんとはまた違う芯の強さがある。
「私、遥さんが羨ましいです。毎日彼方さんと一緒にいられて。」
そう言った瞬間、自分の声が砂に染み込んでいくような儚さを覚えた。ほんの小さな嫉妬が混じっていたのかもしれない。でも、遥さんは驚くでもなく、静かに微笑んでくれた。
1366目の前には遥さんがいる。彼方さんの妹でありながら、その穏やかな物腰はどこか姉のような落ち着きを感じさせる。不思議な人だと思う。彼方さんの柔らかさを受け継ぎながらも、彼方さんとはまた違う芯の強さがある。
「私、遥さんが羨ましいです。毎日彼方さんと一緒にいられて。」
そう言った瞬間、自分の声が砂に染み込んでいくような儚さを覚えた。ほんの小さな嫉妬が混じっていたのかもしれない。でも、遥さんは驚くでもなく、静かに微笑んでくれた。
薬膳りんごカルピス
PAST桜坂と栞子さんが観劇デートする話『水色と翡翠色』午後の日差しが柔らかく降り注ぐ中、いつものように私は少し早めに待ち合わせ場所に着いた。休日にしずくさんとふたりきりで遊ぶ約束をしたことは勿論、一緒に観劇をするのも今日が初めてだ。彼女が誘ってくれたことを嬉しく思う反面、何かが少しだけ胸に引っかかる感覚があった。だが、そんな気持ちを心の奥に押し込めて、私は約束の場所へと足を進めた。
そこには、既に白いワンピースを纏い、端正な佇まいを見せるしずくさんがいた。
彼女はまるで銀幕から抜け出してきた女優さんのようで、その姿を見た瞬間、私は思わず息を呑んだ。遠目からでも一目で美少女とわかる、その透明感溢れる容姿に、私は一瞬、現実感を失った。
「しずくさん、お待たせしました」
3383そこには、既に白いワンピースを纏い、端正な佇まいを見せるしずくさんがいた。
彼女はまるで銀幕から抜け出してきた女優さんのようで、その姿を見た瞬間、私は思わず息を呑んだ。遠目からでも一目で美少女とわかる、その透明感溢れる容姿に、私は一瞬、現実感を失った。
「しずくさん、お待たせしました」
薬膳りんごカルピス
PAST旧同好会組がせつ菜のためにお披露目ライブのリベンジをする話『リベンジライブ』『今日の放課後集まれますか?』
気の抜けた通知音に促されるまま、寝ぼけ眼で画面を覗き込むと、同好会のグループチャットに新着のメッセージが入っていた。送信者はかすみちゃん。ユニットライブの打ち合わせかな?今日は同好会の活動もバイトもお休みなので予定は空いてたはず。
あれ?このグループってたしか──────
懐かしいな。まだ残ってたんだ。同好会が解散の危機に瀕していた際に、情報共有用としてかすみちゃんが作った4人だけのグループチャット。
『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』
グループ名こそ今と同じだが、招待されてるメンバーの数が明らかに少ない。メンバーはかすみちゃんにしずくちゃん、彼方ちゃんに、エマちゃんの4人。本来であればここにもうひとり、彼方ちゃん達もよく知る部員の名前があるはずなんだけど、あの時はその子の所在はおろか正体すらもわからなかったからなぁ。
3817気の抜けた通知音に促されるまま、寝ぼけ眼で画面を覗き込むと、同好会のグループチャットに新着のメッセージが入っていた。送信者はかすみちゃん。ユニットライブの打ち合わせかな?今日は同好会の活動もバイトもお休みなので予定は空いてたはず。
あれ?このグループってたしか──────
懐かしいな。まだ残ってたんだ。同好会が解散の危機に瀕していた際に、情報共有用としてかすみちゃんが作った4人だけのグループチャット。
『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』
グループ名こそ今と同じだが、招待されてるメンバーの数が明らかに少ない。メンバーはかすみちゃんにしずくちゃん、彼方ちゃんに、エマちゃんの4人。本来であればここにもうひとり、彼方ちゃん達もよく知る部員の名前があるはずなんだけど、あの時はその子の所在はおろか正体すらもわからなかったからなぁ。