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DOODLEテーマ『ハグ』ハグじゃなくて~のくだりが書きたかった
甲斐 夢「な〜」
ソファーに座った裕次郎が、ぽんぽんと座面を叩く。ここへ来て欲しいという彼特有のアピールだ。
「なーに?」
「ん〜?やー、別に…」
言う通り座ってあげると、すぐに腕が回って肩にずしりと重みがかかる。ふわふわとした髪が少しだけ首筋に触れる。迷いのない動作とは裏腹に歯切れの悪い返事にももう慣れた。
はじめの頃こそこうやって抱きつかれる度にドキドキと緊張して何かあったのか不安になったものだが、今はそうは思わない。裕次郎がこうする理由は、ただ本当に純粋な愛情表現と、安心感を得ることであるということが分かっているからだ。
同じシャンプー、同じ柔軟剤の香り越しにゆっくりとした心音が伝わってくる。こうしてくっついたままのんびりする時間は好きだ。でも自分から動いて身を寄せてくれる裕次郎が可愛くて愛おしくて、ちょっと尊敬している。私ならこんなに積極的にできないから。
1028ソファーに座った裕次郎が、ぽんぽんと座面を叩く。ここへ来て欲しいという彼特有のアピールだ。
「なーに?」
「ん〜?やー、別に…」
言う通り座ってあげると、すぐに腕が回って肩にずしりと重みがかかる。ふわふわとした髪が少しだけ首筋に触れる。迷いのない動作とは裏腹に歯切れの悪い返事にももう慣れた。
はじめの頃こそこうやって抱きつかれる度にドキドキと緊張して何かあったのか不安になったものだが、今はそうは思わない。裕次郎がこうする理由は、ただ本当に純粋な愛情表現と、安心感を得ることであるということが分かっているからだ。
同じシャンプー、同じ柔軟剤の香り越しにゆっくりとした心音が伝わってくる。こうしてくっついたままのんびりする時間は好きだ。でも自分から動いて身を寄せてくれる裕次郎が可愛くて愛おしくて、ちょっと尊敬している。私ならこんなに積極的にできないから。