みゅげ
DONEレノフィガwebオンリー、また参加させていただきました!このふたりってこんなにいちゃいちゃするかなあ…と思いつつも、公式で〝運命〟とか言っちゃったり、仲良く俳優やってたり、雪国で足湯デートするし。
本当に思っている以上に、おかしなことになってるな、って思う。ずっとそう思います。
何を書くかいろいろ悩んだので、今年のレノのお誕生日の後、ふたりきりでしっとりと飲むレノフィの短編をあげます。
神様のひつじ『神様のひつじ』
窓から差し込む月明かりはほの白く、部屋の主の穏やかな横顔を淡くやわらかく照らす。
ときに見惚れるほどにすべらかな彼の人のすっきりとした輪郭を、大いなる厄災の光は今宵もひどく艶やかに彩っていた。
「ほら、これ。この前、西のバザールで見つけた掘り出し物のお酒」
そう言って小さなデスクの傍ら、のんびりとした仕草ではたはたとレノックスを手招きする人は、いらっしゃい、と呑気な顔でにっこりと笑って、もうすぐおまえの誕生日だからさ、一緒に飲もうと思ってとっておいたんだ、と。
やわく輝く実りの榛色の瞳でなんとも楽しそうに嘯いた。
「さて。ここからはお待ちかねの大人の時間だ」
「フィガロ先生」
「きみ、今日はだいぶ飲んでいたみたいだけど。まだ飲めるだろう」
7949窓から差し込む月明かりはほの白く、部屋の主の穏やかな横顔を淡くやわらかく照らす。
ときに見惚れるほどにすべらかな彼の人のすっきりとした輪郭を、大いなる厄災の光は今宵もひどく艶やかに彩っていた。
「ほら、これ。この前、西のバザールで見つけた掘り出し物のお酒」
そう言って小さなデスクの傍ら、のんびりとした仕草ではたはたとレノックスを手招きする人は、いらっしゃい、と呑気な顔でにっこりと笑って、もうすぐおまえの誕生日だからさ、一緒に飲もうと思ってとっておいたんだ、と。
やわく輝く実りの榛色の瞳でなんとも楽しそうに嘯いた。
「さて。ここからはお待ちかねの大人の時間だ」
「フィガロ先生」
「きみ、今日はだいぶ飲んでいたみたいだけど。まだ飲めるだろう」
みゅげ
DONE先のイベント後にあげたピロートーク(事後)のレノフィガ。レノがフィガロ様って呼ぶときは甘えているときだと、なんとなく思う。先生って言うときの方が甘やかしている。
付き合ってる、というとしっくりこないけど、でもやっぱりいちゃいちゃはしてそうな……お互いに情も執着もたっぷりとありそうなっていう。
……ピロートークは、必要ですか?『……ピロートークは、必要ですか?』
ひとつ、ひとつ。
とかく人の手が丁寧に扱うものというやつには、なんだか不思議な輝きと価値が生まれるものだとか言ったのは、いったいどこの誰だっただろうか――。
「先生、フィガロ先生」
「んぅう……んー……っ」
ぺしぺしと無遠慮に頬を叩く大きな手を、夢見心地のまま、ただ煩わしいと振り払えば、そもそもそんなことぐらいではまったくめげない男の容赦のない指が、ほたりと力なく転がったフィガロの指先を、不意にきゅうっと優しく包み込むからどきりとした。
カーテンを引かない魔法舎のフィガロの部屋の窓には、常と変わらぬやわらかい月の光が射して、そんなとろとろと静かに降りそそぐ白い月明かりは、輝く濁りのない色で深い夜の底を照らしている。
12771ひとつ、ひとつ。
とかく人の手が丁寧に扱うものというやつには、なんだか不思議な輝きと価値が生まれるものだとか言ったのは、いったいどこの誰だっただろうか――。
「先生、フィガロ先生」
「んぅう……んー……っ」
ぺしぺしと無遠慮に頬を叩く大きな手を、夢見心地のまま、ただ煩わしいと振り払えば、そもそもそんなことぐらいではまったくめげない男の容赦のない指が、ほたりと力なく転がったフィガロの指先を、不意にきゅうっと優しく包み込むからどきりとした。
カーテンを引かない魔法舎のフィガロの部屋の窓には、常と変わらぬやわらかい月の光が射して、そんなとろとろと静かに降りそそぐ白い月明かりは、輝く濁りのない色で深い夜の底を照らしている。
みゅげ
DONE初のレノフィガ小説かけた!嬉しい!いつも通りふらふらとレイタ山脈までレノに会いに行くフィガロと、少し困った目に遭うレノとの放牧風景を書きました。
名前のあるモブがだいぶ主張強く出てきます…。
犬とフィガロとレノ…せめていつかは三角関係ぐらいにまでは昇格できたらいいのにな。
犬のきもち『犬のきもち』
山の上の小屋に人が訪ねてくることは珍しい。
ある日、馴染みの男が現われた。
男は昔からこの夏の山にレノックスたち羊飼いと同じ時を過ごす炭焼きの男で、ここ数年はとんと見かけない懐かしい顔でもあった。
「久しぶりだなあ、レノックス」
「ああ……」
煤けた太い指で色褪せた帽子の縁をちょこんと抓んで、それはいつかの日と全く変わらないにやりと人のいい笑みにゆったりと近付いてきた。
「どうもあんたが懐かしくなって、寄ってみたんだ」
「そうか」
その気軽な様子にどこかほっと温かな気持ちになる。
ぽつりぽつりと白い羊たちが草を食む山は青く、遠く空の果てまでもが瑞々しい夏の山特有の世界の色を背にして、レノックスはじっと男の様相を見つめた。
14971山の上の小屋に人が訪ねてくることは珍しい。
ある日、馴染みの男が現われた。
男は昔からこの夏の山にレノックスたち羊飼いと同じ時を過ごす炭焼きの男で、ここ数年はとんと見かけない懐かしい顔でもあった。
「久しぶりだなあ、レノックス」
「ああ……」
煤けた太い指で色褪せた帽子の縁をちょこんと抓んで、それはいつかの日と全く変わらないにやりと人のいい笑みにゆったりと近付いてきた。
「どうもあんたが懐かしくなって、寄ってみたんだ」
「そうか」
その気軽な様子にどこかほっと温かな気持ちになる。
ぽつりぽつりと白い羊たちが草を食む山は青く、遠く空の果てまでもが瑞々しい夏の山特有の世界の色を背にして、レノックスはじっと男の様相を見つめた。