オサハタ
MEMO若かりし頃のカズヤギのメモ。ふたりは同い年同期の設定。
共に元カノ有り。
気が向いたときに更新or予告なしで削除
taboo 同期で友人でもあるカズサがうちに来たのはとある明け方。事前にメールを受けて、やり取りの中でともに翌日非番であると分かるや否や、
『酒持ってこれから行く』
との返信を受けた数十分後だった。
「急になんだよ」
玄関を開けた僕の問いにカズサは無言のまま、あまり見た記憶のない仏頂面を返すだけ。
「彼女に振られでもしたか?」
それはなんの気無しの当てずっぽうだった。だが、いつだったか聞いてもいないのに惚気られたどこの誰かも知らない相手を引き合いに出した途端、生来垂れた目尻を精一杯引き上げた友人を見て僕はぎょっとしてしまった。
「……悪い」
図星だったのだろう、そう理解して、気まずく謝るこちらにカズサは
「ヤギヤマは悪く無いけどぉ⁉︎」
2314『酒持ってこれから行く』
との返信を受けた数十分後だった。
「急になんだよ」
玄関を開けた僕の問いにカズサは無言のまま、あまり見た記憶のない仏頂面を返すだけ。
「彼女に振られでもしたか?」
それはなんの気無しの当てずっぽうだった。だが、いつだったか聞いてもいないのに惚気られたどこの誰かも知らない相手を引き合いに出した途端、生来垂れた目尻を精一杯引き上げた友人を見て僕はぎょっとしてしまった。
「……悪い」
図星だったのだろう、そう理解して、気まずく謝るこちらにカズサは
「ヤギヤマは悪く無いけどぉ⁉︎」
オサハタ
MEMOカズヤギの初キスのメモget ready そっと触れた箇所は想定通りに薄く、だがそれでも柔らかく、俺の唇を受け止めてくれた、少しの強張りもなく。
だから、というのは言い訳に過ぎないのだろうし、触れ合うや否や深く深く舌を差し入れてしまったのは失敗だったと自覚している。
だが。
その途端に、ひゅ、と呑まれる相手の息、びくりと反った背筋、それらの反応を具に感じて理性は飛んだ。
待ち望んでいたのだ、この時を。
幾年月も求めたのだ、この瞬間を。
それを、今、俺は、ようやく──
と、薄く開いたままだった瞼を完全に閉じかけたその刹那──
肩を押されて夢心地の感触は、離れて、しまった。
「……え?」
ぽかんとしてしまった俺を映している相手の──そう、今の今まで口付けていたヤギヤマの目は、苦しそうに歪んでいる。
1498だから、というのは言い訳に過ぎないのだろうし、触れ合うや否や深く深く舌を差し入れてしまったのは失敗だったと自覚している。
だが。
その途端に、ひゅ、と呑まれる相手の息、びくりと反った背筋、それらの反応を具に感じて理性は飛んだ。
待ち望んでいたのだ、この時を。
幾年月も求めたのだ、この瞬間を。
それを、今、俺は、ようやく──
と、薄く開いたままだった瞼を完全に閉じかけたその刹那──
肩を押されて夢心地の感触は、離れて、しまった。
「……え?」
ぽかんとしてしまった俺を映している相手の──そう、今の今まで口付けていたヤギヤマの目は、苦しそうに歪んでいる。