tanny_unt
DOODLE羊の日。クリテメこひつじ吸い目を疑った。
ほとんど寝ずにとある異端を審問した帰り道。草臥れた体を引きずって宿に戻ろうと、聖堂騎士の詰所前を通りすがったときのこと。
そこに居たのはふわふわもこもこの着ぐるみに身を包んだ"子羊くん"。それは確かにこの世に存在しているようだ。
なぜなら、もうこの腕の中にふわふわとした手触りはあるのだから……
◇◇◇
「……あの、テメノスさん」
「すぅ~……」
「テメノスさん……?」
「ふぅ~……」
「テメノス・ミストラル異端審問官殿」
「……なんですか」
何度目かの呼び掛けにようやく応えたその人、テメノス・ミストラルは双眸の下に濃いくまをこさえて人の胸毛を吸っている。
いや、人聞きが悪い。今この羊を模倣した姿である理由は催事であり、新人騎士は例年この姿で行うのが通過儀礼となっていた。断じて自らの意思ではない事をここに主張したい。
1030ほとんど寝ずにとある異端を審問した帰り道。草臥れた体を引きずって宿に戻ろうと、聖堂騎士の詰所前を通りすがったときのこと。
そこに居たのはふわふわもこもこの着ぐるみに身を包んだ"子羊くん"。それは確かにこの世に存在しているようだ。
なぜなら、もうこの腕の中にふわふわとした手触りはあるのだから……
◇◇◇
「……あの、テメノスさん」
「すぅ~……」
「テメノスさん……?」
「ふぅ~……」
「テメノス・ミストラル異端審問官殿」
「……なんですか」
何度目かの呼び掛けにようやく応えたその人、テメノス・ミストラルは双眸の下に濃いくまをこさえて人の胸毛を吸っている。
いや、人聞きが悪い。今この羊を模倣した姿である理由は催事であり、新人騎士は例年この姿で行うのが通過儀礼となっていた。断じて自らの意思ではない事をここに主張したい。
stickey_game
MOURNINGクリテメ短文、羊の日なんで書きました!今日って羊の日らしいですねぇー!クリテメェーーーー!!🐏👁子羊の日クリックとテメノスが隣同士寄り添いながら酒場で楽しく時間を過ごしていると、ふとテメノスが何かを思いついたように話しかけた。
「そういえば、クリックくん。今日は何の日か分かりますか?」
何だか楽しそうな笑顔で僕の恋人はこちらを見ている。こういう時は決まって禄でもないことを考えている。
「…誰かの誕生日でしょうか?」
「いいえ、今日は羊の日らしいですよ」
「だ、だからってなんで僕を見るんですか!僕は子羊じゃありません!」
「おや?まだ何も言ってませんが、子羊くん?」
「う…。ぼ、僕は貴方の…騎士…がいいです…」
クリックの言葉尻がややすぼまり小さくなる。大型犬が寂しそうに拗ねたような姿をニヤニヤとテメノスは笑いながら楽しそうにしている。何だかんだでいつもこの人のペースに乗せられてしまう自分が歯痒い。
731「そういえば、クリックくん。今日は何の日か分かりますか?」
何だか楽しそうな笑顔で僕の恋人はこちらを見ている。こういう時は決まって禄でもないことを考えている。
「…誰かの誕生日でしょうか?」
「いいえ、今日は羊の日らしいですよ」
「だ、だからってなんで僕を見るんですか!僕は子羊じゃありません!」
「おや?まだ何も言ってませんが、子羊くん?」
「う…。ぼ、僕は貴方の…騎士…がいいです…」
クリックの言葉尻がややすぼまり小さくなる。大型犬が寂しそうに拗ねたような姿をニヤニヤとテメノスは笑いながら楽しそうにしている。何だかんだでいつもこの人のペースに乗せられてしまう自分が歯痒い。
stickey_game
MAIKING今日のクリテメ妄想で呟いてた「心から望んでいることを何か1つやらなきゃいけない部屋」の導入編を書きなぐったものです♡続きを書くのにアンケとっているので良ければ投票お願いします🙏神官様へのお願い事「…30年ほど生きてきましたけど稀有なこともあるもんですね?」
「僕もこんな経験初めてです」
見た目はただの小屋だったはずだ。路行く先で夜も更けていき、さてどうしたものかと野宿を覚悟していたらこの小屋を偶然発見した。旅人用に開放されている小屋のようだと判断し軽率に入ったのがまずかったかもしれない。二人で小屋に入ったとたんにガチャッと大きな音がしたかと思うと固く閉じられた入り口の扉に大きな錠前がかかっていた。部屋を散策してみたが錠前にあいそうな鍵は見つからなかった。どうしたものかと思案していると入り口の扉にいつのまにか商店で使われるような看板が吊り下げられているのに気づく。よく見ると何かが書いてある。
2234「僕もこんな経験初めてです」
見た目はただの小屋だったはずだ。路行く先で夜も更けていき、さてどうしたものかと野宿を覚悟していたらこの小屋を偶然発見した。旅人用に開放されている小屋のようだと判断し軽率に入ったのがまずかったかもしれない。二人で小屋に入ったとたんにガチャッと大きな音がしたかと思うと固く閉じられた入り口の扉に大きな錠前がかかっていた。部屋を散策してみたが錠前にあいそうな鍵は見つからなかった。どうしたものかと思案していると入り口の扉にいつのまにか商店で使われるような看板が吊り下げられているのに気づく。よく見ると何かが書いてある。
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DOODLE闇に堕ちた聖堂騎士と慈愛の異端審問官の話。陽楽さんと話した最高の設定。
以下捏造・特殊設定↓
テメノスを愛する故に何処へも行けないよう様々な装飾品を贈ったり、少しずつ枷として身体への拘束をしたりする。クリックへの愛を自覚して逃げてしまったテメノスは、クリックの歪んだ愛に報いる為に心と体の全てを委ねる……
↑前提のモブ視点。
誓いの騎士と籠の鳥文字通り、籠の鳥となったテメノスを囲って暮らすクリック。誓いを交わしたふたりは、小さな街ですぐに噂になった。
金髪の聖堂騎士の傍らにはいつも美しい人がいたという──
たまに見かける美しい人は車椅子に乗せられたままおだやかに微笑むだけで一言も喋らない。介助している聖堂騎士も笑顔だけど少し怖かった。
ベールに隠された人は足が不自由なようで、聖堂騎士無しには現れない。華奢な体は大小様々な装飾品で彩られ、飾られ、まるで何かに守られるようにそこに在る。
偶然、足元に転がしてしまったコインを拾おうとして仰ぎ見たその人は…かの著名な宗教画のように美しかった。
直後、コインを掴んだ掌の横を鈍色の大剣が貫いた。
「あれっ、外しちゃいましたか?すぐにその不埒な手を罰しますから… 動かないでくださいね。」
1285金髪の聖堂騎士の傍らにはいつも美しい人がいたという──
たまに見かける美しい人は車椅子に乗せられたままおだやかに微笑むだけで一言も喋らない。介助している聖堂騎士も笑顔だけど少し怖かった。
ベールに隠された人は足が不自由なようで、聖堂騎士無しには現れない。華奢な体は大小様々な装飾品で彩られ、飾られ、まるで何かに守られるようにそこに在る。
偶然、足元に転がしてしまったコインを拾おうとして仰ぎ見たその人は…かの著名な宗教画のように美しかった。
直後、コインを掴んだ掌の横を鈍色の大剣が貫いた。
「あれっ、外しちゃいましたか?すぐにその不埒な手を罰しますから… 動かないでくださいね。」
sikapopopo
DOODLE鉛筆でクリテメ描いた。折角なのでポイピクに載せます。今何となく色々変えたい時期で目がいっぱいでちょっとアレですね!二枚目は身内に見せられないやつね!こっそり載せときます… 2tanny_unt
DOODLE某ワーが呟いてたストリップの話。クリテメ風味月光の審判さらさらと心地よい夜風が開け放たれた窓からそよいでいる。闇にかがやく月が天高く翳したのだから、普段ならそこの寝台でゆっくりと一日の疲れを癒しているはずなのだ。それなのに。
「……こひつじ君、審問の時間ですよ」
窓枠に腰掛けるその人は、異端審問官の衣装を身に纏い、愛用の杖と共にやってきた。
「え、は……?」
「おやおや、いつもの凛々しいお姿はどこへ?部屋着とはいえ、なんだかいつもより幼い気がします」
「こ、こんな時間に訪問しておいて……」
「フフ、そうでした。ねえ…この間のお話、覚えていますか?」
「……え!?えーっと……」
予想外の言葉が彼の口から飛び出してくる。いや、予想外の言葉はいつも聞いているのだがそれとは区分けそのものが違う気がした。自分の発した言葉に心当たりがないか必死で記憶を辿るが、当然そんなものはない。段々と彼の表情は曇り、それは悲しみに変わっていく。さっきまでの愉快な口振りから一転、落胆の滲む声音が部屋に響いた。
2399「……こひつじ君、審問の時間ですよ」
窓枠に腰掛けるその人は、異端審問官の衣装を身に纏い、愛用の杖と共にやってきた。
「え、は……?」
「おやおや、いつもの凛々しいお姿はどこへ?部屋着とはいえ、なんだかいつもより幼い気がします」
「こ、こんな時間に訪問しておいて……」
「フフ、そうでした。ねえ…この間のお話、覚えていますか?」
「……え!?えーっと……」
予想外の言葉が彼の口から飛び出してくる。いや、予想外の言葉はいつも聞いているのだがそれとは区分けそのものが違う気がした。自分の発した言葉に心当たりがないか必死で記憶を辿るが、当然そんなものはない。段々と彼の表情は曇り、それは悲しみに変わっていく。さっきまでの愉快な口振りから一転、落胆の滲む声音が部屋に響いた。
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DONE仲間に祝福される、付き合って数年目のクリテメAIUE.かなしい、つらい、くるしい。くらくてつめたい。だれもいない。だきしめてほしい。
……あいしてほしい。
◇
孤児時代、来る日も来る日も飢えと戦っていた。その名残か現在まで食は細いまま。汁菜を好み、口をつける。ひとくちは小さく、消化の速度も遅い。仲間内では比較的ゆっくりと食事を摂るほうだった。最年長のオズバルドと並び、互いにぽつりぽつりと本の内容を確認したり、時には無言で終えたりもする。
旧友を失って、恩人を失った。その事がより一層食欲の減退に拍車をかけていたのだが、キャスティやオーシュットがやれ健康だの干し肉だのと構うものだから、観念してゆっくりながら量を摂ることに専念していた。
皆、心配してくれているのだ。その心に報いたい。だが困ったことに胃袋はスープ一杯で満腹を訴える。我ながらほんとうに小さくて辟易するが、こうなるともうひとくちも食べたいとは思えない。口に物を運ぶのが億劫になり、喉奥からははっきりとした拒絶が聞こえる。はあぁ、と深いため息をついて器に盛られた薄切りの肉を持ち上げては置くことを繰り返している。行儀もよくないので、今日のところはギブアップを宣言しようとした時だった。
3788……あいしてほしい。
◇
孤児時代、来る日も来る日も飢えと戦っていた。その名残か現在まで食は細いまま。汁菜を好み、口をつける。ひとくちは小さく、消化の速度も遅い。仲間内では比較的ゆっくりと食事を摂るほうだった。最年長のオズバルドと並び、互いにぽつりぽつりと本の内容を確認したり、時には無言で終えたりもする。
旧友を失って、恩人を失った。その事がより一層食欲の減退に拍車をかけていたのだが、キャスティやオーシュットがやれ健康だの干し肉だのと構うものだから、観念してゆっくりながら量を摂ることに専念していた。
皆、心配してくれているのだ。その心に報いたい。だが困ったことに胃袋はスープ一杯で満腹を訴える。我ながらほんとうに小さくて辟易するが、こうなるともうひとくちも食べたいとは思えない。口に物を運ぶのが億劫になり、喉奥からははっきりとした拒絶が聞こえる。はあぁ、と深いため息をついて器に盛られた薄切りの肉を持ち上げては置くことを繰り返している。行儀もよくないので、今日のところはギブアップを宣言しようとした時だった。
garakushipeach
SPOILERthere is a bit of nudity but its not r18! also..... spoilers for temenos ch3!READ LEFT TO RIGHT
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DOODLEあばいて!しんもんかんさま🥺♡・ツイログ会話文
・追加小話300字程度
【入れそうで入れない、ちょっと入れる話】~いちぶーすとめ~
🐑「ダメったらダメったらダメです」
👁「いいじゃないですか、ちょっとくらい」
🐑「ダメですって」
👁「んもうつれないですねえ」
🐑「つれたらダメでしょう…」
👁「いいんですよ、素直になって」
🐑「今でもじゅうぶん素直なので」
👁「言うようになりましたね」
🐑「何年あなたといると思ってるんですか」
👁「3年と5ヶ月です」
🐑「めちゃくちゃ覚えてますね」
👁「それは愛しいひとですから」
🐑「はあもう、どこまで本気かわかんない人だな」
👁「ぜーんぶ本気ですが…」
🐑「だとしても」
👁「?」
🐑「その…さきっぽだけ、とか…やめてください」
👁「え、ぜんぶもらっていいんですか?」
🐑「ちがいます!他の男がいるところでそういうこと、言わないで」
1634🐑「ダメったらダメったらダメです」
👁「いいじゃないですか、ちょっとくらい」
🐑「ダメですって」
👁「んもうつれないですねえ」
🐑「つれたらダメでしょう…」
👁「いいんですよ、素直になって」
🐑「今でもじゅうぶん素直なので」
👁「言うようになりましたね」
🐑「何年あなたといると思ってるんですか」
👁「3年と5ヶ月です」
🐑「めちゃくちゃ覚えてますね」
👁「それは愛しいひとですから」
🐑「はあもう、どこまで本気かわかんない人だな」
👁「ぜーんぶ本気ですが…」
🐑「だとしても」
👁「?」
🐑「その…さきっぽだけ、とか…やめてください」
👁「え、ぜんぶもらっていいんですか?」
🐑「ちがいます!他の男がいるところでそういうこと、言わないで」
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DOODLEOh 薬師ジョブ👁のパンツの丈が短くてタイツだと思ってた布がサイハイソックスだった時にできた隙間の1センチwatch ヤラシイヤラシイネのクリテメ
気になるあの子の気になるスキマサブジョブ用支給服をご存知だろうか。
今目の前のひとが身に付けている、特定の認可を受けた者が纏う事を許された専用衣装。個人によって多少のアレンジを加え、効率や機能性を最大限に引き出されているので戦闘では重宝している。
……何故こんな分かりきった説明をするのかだって?それは………
「男性用とはいえ、こんな短い丈のものを…!神の下僕としてあるまじき格好ですよ、テメノスさん!」
心の声を、ありったけのツッコミとして吐き出した。
「なんなんです、急に大声をあげて」
「…不埒です」
大仰な溜息をつく審問官の横でぶうぶうと不満を垂れる。我が行いながら子供のようであると理解しつつも、目の前のひとの無防備さに物申すことを止める気はなかった。だってその服、太腿までしか丈がないんですよ。その下に身につけてるのだって、薄手すぎてちょっと肌が透けてます。いくら何でも駄目です。
1309今目の前のひとが身に付けている、特定の認可を受けた者が纏う事を許された専用衣装。個人によって多少のアレンジを加え、効率や機能性を最大限に引き出されているので戦闘では重宝している。
……何故こんな分かりきった説明をするのかだって?それは………
「男性用とはいえ、こんな短い丈のものを…!神の下僕としてあるまじき格好ですよ、テメノスさん!」
心の声を、ありったけのツッコミとして吐き出した。
「なんなんです、急に大声をあげて」
「…不埒です」
大仰な溜息をつく審問官の横でぶうぶうと不満を垂れる。我が行いながら子供のようであると理解しつつも、目の前のひとの無防備さに物申すことを止める気はなかった。だってその服、太腿までしか丈がないんですよ。その下に身につけてるのだって、薄手すぎてちょっと肌が透けてます。いくら何でも駄目です。
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DOODLE激坂ふれ~むちゃ~ち🐑👁フレーバー・テ×××はぁ、はぁ、はぁ。
彼は息ひとつ乱していないというのに、騎士たる自分はといえば……神の剣に有るまじき、情けない姿を晒していた。息を切らしながらも懸命に踏ん張る。
事の始まりは、悪漢を容赦なく降した異端審問官・テメノスに導かれ、大聖堂までの道程を護衛を申し出た瞬間から。おそらく鍛えられているであろう、前を歩く健脚に今もついていくのが精一杯。それもそのはず、登り慣れていないものを拒むかのような坂、坂、坂の大激坂。九十九(つづら)折りを遠景に眺めた時は、声にこそ出さなかったが厳しい訓練に使われた山々を思い出し背筋が凍ったものだ。この審問官はここをほぼ毎日登り降りしているらしい。加えてこの重装備。もちろん訓練を怠ったりはしていないが、標高が高く酸素も薄い。心が折れそうになるも、なんとか足を前に進めている状態だった。
1207彼は息ひとつ乱していないというのに、騎士たる自分はといえば……神の剣に有るまじき、情けない姿を晒していた。息を切らしながらも懸命に踏ん張る。
事の始まりは、悪漢を容赦なく降した異端審問官・テメノスに導かれ、大聖堂までの道程を護衛を申し出た瞬間から。おそらく鍛えられているであろう、前を歩く健脚に今もついていくのが精一杯。それもそのはず、登り慣れていないものを拒むかのような坂、坂、坂の大激坂。九十九(つづら)折りを遠景に眺めた時は、声にこそ出さなかったが厳しい訓練に使われた山々を思い出し背筋が凍ったものだ。この審問官はここをほぼ毎日登り降りしているらしい。加えてこの重装備。もちろん訓練を怠ったりはしていないが、標高が高く酸素も薄い。心が折れそうになるも、なんとか足を前に進めている状態だった。
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DOODLE貴族ショタ🐑(7)×元神官教育係👁(37)転生捏造ショタおね。テメ3章後推奨
どっかに呟いたやつの加筆修正版
テメさんが長髪☺️
シロツメクサの約束南ティンバーレイン森道、湖のガゼボで顔を真っ赤にした子羊に迫られていた。
旅に出た当時、この辺りで拾ったメモの走り書きがふいに頭を掠め、妙に引っかかっていた。子羊Jrの面倒を見るついでに何か探れないかと、湖の中央くんだりまで漕ぎ出したのだ。
しかし、この展開は予想しておらずのらりくらりとかわすも彼の瞳はまっすぐだ。しばらく見つめあった後、観念して視線の合う位置まで屈んでみる。
すると花が咲いたように微笑んで、少しはにかむ。
『テメノスさん、ぼく、あなたがすきなんです。うそでも、おせじでもないんです』
頬は林檎色、息は興奮で荒くて、幼さが勝ってしまう容姿。彼なりの真実を知らぬ間に無下にしてしまわないように、慎重に答えを探す。如何にして返事をしようかと迷っていれば、少しずつ距離を詰められて小さなガゼボの面積では殆ど逃げ場がなくなる。ゆるやかに尻もちをつくと、跪いた彼がいつの間にか握っていた花を目の前に突き出してきた。
897旅に出た当時、この辺りで拾ったメモの走り書きがふいに頭を掠め、妙に引っかかっていた。子羊Jrの面倒を見るついでに何か探れないかと、湖の中央くんだりまで漕ぎ出したのだ。
しかし、この展開は予想しておらずのらりくらりとかわすも彼の瞳はまっすぐだ。しばらく見つめあった後、観念して視線の合う位置まで屈んでみる。
すると花が咲いたように微笑んで、少しはにかむ。
『テメノスさん、ぼく、あなたがすきなんです。うそでも、おせじでもないんです』
頬は林檎色、息は興奮で荒くて、幼さが勝ってしまう容姿。彼なりの真実を知らぬ間に無下にしてしまわないように、慎重に答えを探す。如何にして返事をしようかと迷っていれば、少しずつ距離を詰められて小さなガゼボの面積では殆ど逃げ場がなくなる。ゆるやかに尻もちをつくと、跪いた彼がいつの間にか握っていた花を目の前に突き出してきた。
tanny_unt
DOODLEつきあって数年目のクリテメちゃんエイプリルフールネタ。
○と誠「うーんうーん」
「どうしたんです?さっきからずっと唸って…オオカミさんにでもなっちゃいましたか?」
珍しく難しい顔で唸っている子羊の眉間を、人差し指でぐいと突く。
「や、なんでも…」
「なんでもって顔じゃないでしょう」
「えっと…あの、」
「話しにくいことですか」
なら、と子羊の手を引いてベンチにともに腰掛ける。向き合って手を握ればまっすぐに見つめた。
「ほら、ちゃんと話してくれないとわからないでしょう?」
「いやその。なんというか…」
「いい加減になさい。朝からずっとソワソワして、私が気になるんですよ」
「その、僕、テメノスさんが……」
「……なんです」
もごもごと口を動かして言いかけたが、結局言葉が出てくることはなかった。
1117「どうしたんです?さっきからずっと唸って…オオカミさんにでもなっちゃいましたか?」
珍しく難しい顔で唸っている子羊の眉間を、人差し指でぐいと突く。
「や、なんでも…」
「なんでもって顔じゃないでしょう」
「えっと…あの、」
「話しにくいことですか」
なら、と子羊の手を引いてベンチにともに腰掛ける。向き合って手を握ればまっすぐに見つめた。
「ほら、ちゃんと話してくれないとわからないでしょう?」
「いやその。なんというか…」
「いい加減になさい。朝からずっとソワソワして、私が気になるんですよ」
「その、僕、テメノスさんが……」
「……なんです」
もごもごと口を動かして言いかけたが、結局言葉が出てくることはなかった。
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MOURNINGじごクリテメ②※不快表現のデパート
(嘔吐・失禁・言葉責め・欠損・白痴)
※ゴア・リョナ・グロ
※カカオ90%くらいの甘み
ほとんど罠です。救いは、人によってはあるかもしれません。わたしはこういうのだいすきです。 4647
tanny_unt
DOODLEクリテメ短編集 🐑👁サークルに載せたぬるめ過去文※一部清書有
異端審問官の誘惑【誘惑に負けない!子羊くんシリーズ①】
壁に手をつき尻をぐいと突き出して、内腿をそぞろ撫でる仕草で微笑み『"ここ"、使いますか?』と誘惑してくる、幼顔の審問官。
連日の任務で疎かにしていた夜を思えば誘惑に乗るのは容易い。しかし、そんなふうに汚していい人ではない。大事に…大事にしたい。
『やめてください』
自分事ながら浅ましい下半身にぴしゃりと鞭を打つ。すると彼は面白くないといった表情で、口を尖らせる。その表情すら愛おしくて、全くおさまる様子のない己に呆れ果てた。
【誘惑に負けない!子羊くんシリーズ②】
たまには霊験あらたかな場所で禊を行いたいと言い、泉は危険な場所にあるからと護衛を強請られた時に気づけば良かったのだ。『ふたりきりですね』なんて囁く唇が、泉の成分のせいなのかやけに艶めいて見えた。
890壁に手をつき尻をぐいと突き出して、内腿をそぞろ撫でる仕草で微笑み『"ここ"、使いますか?』と誘惑してくる、幼顔の審問官。
連日の任務で疎かにしていた夜を思えば誘惑に乗るのは容易い。しかし、そんなふうに汚していい人ではない。大事に…大事にしたい。
『やめてください』
自分事ながら浅ましい下半身にぴしゃりと鞭を打つ。すると彼は面白くないといった表情で、口を尖らせる。その表情すら愛おしくて、全くおさまる様子のない己に呆れ果てた。
【誘惑に負けない!子羊くんシリーズ②】
たまには霊験あらたかな場所で禊を行いたいと言い、泉は危険な場所にあるからと護衛を強請られた時に気づけば良かったのだ。『ふたりきりですね』なんて囁く唇が、泉の成分のせいなのかやけに艶めいて見えた。
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DONEクリテメ※4章クリア後推奨
※転生ネタ
※直接表現なし事後
生まれ変わった君と『……ッ クリック君……?』
『……どちら様でしょうか?』
一一一一一彼が失われて17年の月日が経ったある日の事だった。
あれから傷心旅行だの散歩だのと、赴任先の教会に言い訳をしながら彼の居た痕跡を辿っていた。彼の故郷に訪れると偶然が必然か、親族への面会が叶い遺品の一部をわけて貰うことに成功した。後生大事にする心算で、鎧の一部を首飾りに加工し肌身離さず持ち歩いていたのだが……まさか、その張本人に瓜二つの人間に遭遇するとは。神は何を考えているのやらと深い溜息が手前勝手に漏れ出ていく。それほどにあの旅の先々での想い出は、今も褪せずに心へ深く根を伸ばしていた。
別人と理解しながらも身体の奥底に熱が灯る。本当に気紛れに…けれど離れがたくて、関係を持ってしまったあの夜。寒さのせいだったのかもしれない。宿の外ではしんしんと積もる雪が窓を凍てつかせ、吐く息をも白くしていたのに。不思議と寒さは消え、噎せ返るほどの引かぬ熱さと彼の放つ激情に揺さぶられた記憶が一息に蘇った。
2149『……どちら様でしょうか?』
一一一一一彼が失われて17年の月日が経ったある日の事だった。
あれから傷心旅行だの散歩だのと、赴任先の教会に言い訳をしながら彼の居た痕跡を辿っていた。彼の故郷に訪れると偶然が必然か、親族への面会が叶い遺品の一部をわけて貰うことに成功した。後生大事にする心算で、鎧の一部を首飾りに加工し肌身離さず持ち歩いていたのだが……まさか、その張本人に瓜二つの人間に遭遇するとは。神は何を考えているのやらと深い溜息が手前勝手に漏れ出ていく。それほどにあの旅の先々での想い出は、今も褪せずに心へ深く根を伸ばしていた。
別人と理解しながらも身体の奥底に熱が灯る。本当に気紛れに…けれど離れがたくて、関係を持ってしまったあの夜。寒さのせいだったのかもしれない。宿の外ではしんしんと積もる雪が窓を凍てつかせ、吐く息をも白くしていたのに。不思議と寒さは消え、噎せ返るほどの引かぬ熱さと彼の放つ激情に揺さぶられた記憶が一息に蘇った。