餅@94
DOODLE✊兄視点で、シンヨコ前のとある静かな夜明けの三兄弟の話。たぶん兄弟愛の範疇のはず。
夢か現か幻か 夜明け時。
人も吸血鬼も多くが眠りにつくしじまの時間。
広さの割に家賃の安さが自慢の2LDKのアパートの薄い壁越しにでも物音一つ聞こえない静かな世界にポツリと、外のしじまよりも静かな声でミカエラが呟いた。
「時々、もしかしたらこの幸せな日々は全部私の夢なんじゃないかと思う時があるんだ」
布団の上に座り、横で眠る透の頭を優しい手つきで撫でるミカエラの穏やかな横顔は白い花弁を思わせる静謐さに満ちていて、思わず目を奪われてしまうほど美しかった。
ポツリ、ポツリと穏やかな声音の中に恐れだとか怯えだとかそんなものを淡く微かに滲ませて、ミカエラは静かに言葉を落とし続ける。
「本当の私は兄さん達と離れ離れで、あの冷たい屋敷の中でお母様に縛られたままなんじゃないかって。全ては辛い現実から逃げ出そうと生み出した、自分に都合の良い幻のなんじゃないかって」
1684人も吸血鬼も多くが眠りにつくしじまの時間。
広さの割に家賃の安さが自慢の2LDKのアパートの薄い壁越しにでも物音一つ聞こえない静かな世界にポツリと、外のしじまよりも静かな声でミカエラが呟いた。
「時々、もしかしたらこの幸せな日々は全部私の夢なんじゃないかと思う時があるんだ」
布団の上に座り、横で眠る透の頭を優しい手つきで撫でるミカエラの穏やかな横顔は白い花弁を思わせる静謐さに満ちていて、思わず目を奪われてしまうほど美しかった。
ポツリ、ポツリと穏やかな声音の中に恐れだとか怯えだとかそんなものを淡く微かに滲ませて、ミカエラは静かに言葉を落とし続ける。
「本当の私は兄さん達と離れ離れで、あの冷たい屋敷の中でお母様に縛られたままなんじゃないかって。全ては辛い現実から逃げ出そうと生み出した、自分に都合の良い幻のなんじゃないかって」
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MOURNING続きが全く浮かばねぇので投げておく短冊最早定例となりつつあるコユキの試食会に本日もお呼ばれし、なんとか完食して(バレないように胃薬も飲み)カウンターに突っ伏していたが、サラサラシャラシャラと軽い音が聞こえ気になって目を向けた。
折り紙の飾りと短冊が生った笹。
およそ【吸血鬼を退治するハンターの溜り場】に似つかわしくないそれ。和洋折衷にもほどがある。
いやまぁ、存在のポンチさに置いては自分も似たようなモノかもしれないが。
「あれ、どしたん?」
お父さんが、集客の一環で置いたんです。
皆さんも書いてましたよ。おじさんもどうですか?短冊もまだありますので!
勢い良く差し出された短冊とペンを思わず受け取ってしまった。
何故かわくわくしながらコチラを伺うお嬢ちゃんには悪いが、そんなに急に言われても願いなど出ない。
955折り紙の飾りと短冊が生った笹。
およそ【吸血鬼を退治するハンターの溜り場】に似つかわしくないそれ。和洋折衷にもほどがある。
いやまぁ、存在のポンチさに置いては自分も似たようなモノかもしれないが。
「あれ、どしたん?」
お父さんが、集客の一環で置いたんです。
皆さんも書いてましたよ。おじさんもどうですか?短冊もまだありますので!
勢い良く差し出された短冊とペンを思わず受け取ってしまった。
何故かわくわくしながらコチラを伺うお嬢ちゃんには悪いが、そんなに急に言われても願いなど出ない。