Do not Repost・東龍
MEMO『勇者にはほしい才能がある』ノベライズ版の、改行ナシ版。(改行なしの、特に読ませる気のないもの・保管として置いているだけのものです)
改めての閲覧は、こちらなどの各SNS投稿場の方が良いかと思います
→https://www.alphapolis.co.jp/novel/559384847/752916261
◆プロローグ
あぁ。この”飛び散る飛沫”が、甘い紅茶ならいいのに。
牧場での朝イチ採れたて脂肪分ぷりぷりミルクと、ジャリリと口内で感じるほどに溶け残った量の角砂糖たっぷりの。青年は、もうずいぶん長いこと目にしていない琥珀色の紅茶の芳香や味を思い出す。
もしくは、水。“これ”がキレイな水ならいいのにな、と。そしたら、青年が今、行っている行為も『水遊び』のようで大層気持ちがいいだろうにと。
が、現実はどうだろう。
この身に浴びるは、赤黒い血飛沫。ヒトのそれより更に煮詰めて濃厚にしたような、サビ散らかした鉄の香り。それが鼻腔から青年を鈍重に、憂鬱にさせる。
青年が醜悪な魔物を一刀両断する度に血飛沫は飛び散り、肌や服に赤く染みつく。いや、そもそも既にとっくの昔に染み付いていた。乾いた血液汚れの上に覆いかぶせるように、新しい鮮血を浴び続ける。
15901あぁ。この”飛び散る飛沫”が、甘い紅茶ならいいのに。
牧場での朝イチ採れたて脂肪分ぷりぷりミルクと、ジャリリと口内で感じるほどに溶け残った量の角砂糖たっぷりの。青年は、もうずいぶん長いこと目にしていない琥珀色の紅茶の芳香や味を思い出す。
もしくは、水。“これ”がキレイな水ならいいのにな、と。そしたら、青年が今、行っている行為も『水遊び』のようで大層気持ちがいいだろうにと。
が、現実はどうだろう。
この身に浴びるは、赤黒い血飛沫。ヒトのそれより更に煮詰めて濃厚にしたような、サビ散らかした鉄の香り。それが鼻腔から青年を鈍重に、憂鬱にさせる。
青年が醜悪な魔物を一刀両断する度に血飛沫は飛び散り、肌や服に赤く染みつく。いや、そもそも既にとっくの昔に染み付いていた。乾いた血液汚れの上に覆いかぶせるように、新しい鮮血を浴び続ける。
能勢ナツキ
PROGRESS久々にpixivsketch配信してました。カラーイラスト人物線画&背景ちょこっと、でした。
pixivsketch→https://sketch.pixiv.net/@hihooo