いなばリチウム
DONE重傷進軍ボイスネタ極バージョン。青野原に出陣してる。一応前のと繋がってる。
前の→https://poipiku.com/594323/5778421.html
「信念に沿っての選択であれば、それに従うだけですが……」 久々の苦境だった。
新たに出陣許可が下りたエリアは精鋭部隊で進んでも数振りの重傷者が出ている。刀装もほとんど剥がされ、資材の在庫確認から見直す必要がありそうだった。
「きっついなー、青野原」
軽い口調で零しながら、加州は目をぎらつかせている。
「でも、あと少しって感じ」
「無理は禁物だ。半数が重傷ではな」
「分かってるって。長谷部に諭されるとはね。……堀川の腕が見つかり次第、引き上げる?」
「そうだな。一応主に連絡を取る」
目の前には加州と言葉を交わす前からずっと『進軍せよ』という電子メッセージが浮かんでチカチカと光っている。長谷部は部隊に背を向け、慣れた手順で本丸へと繋いだ。
「はい、何?」
平素と変わらない、低く落ち着いた声だ。周りに敵の気配がないとはいえ、本丸で聞くのと変わらない声に心が安らいだ。しかし、
1905新たに出陣許可が下りたエリアは精鋭部隊で進んでも数振りの重傷者が出ている。刀装もほとんど剥がされ、資材の在庫確認から見直す必要がありそうだった。
「きっついなー、青野原」
軽い口調で零しながら、加州は目をぎらつかせている。
「でも、あと少しって感じ」
「無理は禁物だ。半数が重傷ではな」
「分かってるって。長谷部に諭されるとはね。……堀川の腕が見つかり次第、引き上げる?」
「そうだな。一応主に連絡を取る」
目の前には加州と言葉を交わす前からずっと『進軍せよ』という電子メッセージが浮かんでチカチカと光っている。長谷部は部隊に背を向け、慣れた手順で本丸へと繋いだ。
「はい、何?」
平素と変わらない、低く落ち着いた声だ。周りに敵の気配がないとはいえ、本丸で聞くのと変わらない声に心が安らいだ。しかし、
いなばリチウム
DONE重傷進軍ボイスネタ主へし(特)その内極バージョンも書きたい
「これは何かの策ですか?」 重傷二振り、中傷一振り、自身も軽傷状態だったが、部隊を率いて身を隠すくらいの余裕はあった。重傷の大和守に肩を貸す加州も傷は浅いものの、傷そのものより疲労の方が深刻であるのが見て取れる。撤退だろうな、と半ば独り言のような呟きに皆力なく頷いた。しかし、目の前には『進軍せよ』という、部隊長にのみ可視化された電子メッセージが浮かんでいる。心臓が早鐘を打ってた。何かの間違いだ、と思う。
本丸にいる審神者との連絡もまた、部隊長のみに許されていた。決められた手順に従えば、ノイズ混じりに審神者の声が耳を震わせる。
「――はい、状況は見えてるよ」
平素と変わらない声だった。普段なら安心感のある落ち着いた低音が、この場にはそぐわない。
2806本丸にいる審神者との連絡もまた、部隊長のみに許されていた。決められた手順に従えば、ノイズ混じりに審神者の声が耳を震わせる。
「――はい、状況は見えてるよ」
平素と変わらない声だった。普段なら安心感のある落ち着いた低音が、この場にはそぐわない。