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    いなばリチウム

    @inaba_hondego

    小説メイン
    刀:主へし、主刀、刀さに♂
    mhyk:フィガ晶♂
    文アル:はるだざ、菊芥、司♂秋
    文スト:織太

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    POIPOI 45

    いなばリチウム

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    重傷進軍ボイスネタ極バージョン。青野原に出陣してる。
    一応前のと繋がってる。
    前の→https://poipiku.com/594323/5778421.html

    #主へし
    master

    「信念に沿っての選択であれば、それに従うだけですが……」 久々の苦境だった。
     新たに出陣許可が下りたエリアは精鋭部隊で進んでも数振りの重傷者が出ている。刀装もほとんど剥がされ、資材の在庫確認から見直す必要がありそうだった。
    「きっついなー、青野原」
     軽い口調で零しながら、加州は目をぎらつかせている。
    「でも、あと少しって感じ」
    「無理は禁物だ。半数が重傷ではな」
    「分かってるって。長谷部に諭されるとはね。……堀川の腕が見つかり次第、引き上げる?」
    「そうだな。一応主に連絡を取る」
     目の前には加州と言葉を交わす前からずっと『進軍せよ』という電子メッセージが浮かんでチカチカと光っている。長谷部は部隊に背を向け、慣れた手順で本丸へと繋いだ。
    「はい、何?」
     平素と変わらない、低く落ち着いた声だ。周りに敵の気配がないとはいえ、本丸で聞くのと変わらない声に心が安らいだ。しかし、
    「俺の指示、見た?」
     そう続いた声には苛立っている風な響きもあり、長谷部は思ったままを述べた。
    「……信念に沿って、ねえ」
     少しの沈黙の後、今度は揶揄するように面白がる声が鼓膜を揺らす。
    「信念も何もないって言ったら、どうする?」
    「ふふ」
    「何笑ってんだよ」
    「いえ、別に。……どちらにせよ、主の思うままに、従うだけですから。俺は」
     耳元で「チッ」と舌打ちされたのと、離れたところから「腕ありました~!」「ゲートも開いたよ~」と仲間の声がしたのはほとんど同時だった。
    「……睦言は戻ってからにしろ」
     早口でそう言われたかと思うと通信は途絶える。あとはいつもと同じようにすれば良いだけだった。重傷者の内、腕を切られた堀川を優先して手入れ部屋へ運び、手伝い札を使う。それでも待ち時間があったが、後は任せろという加州、大和守に託して報告へ向かうことにする。とはいえ、戦況は全て審神者側から把握出来るので、普段通りであれば情報の擦り合わせと今後の部隊編成等の簡単な確認で終わるはずだった。もちろん、そう簡単に終わらないことも、多々あるが。
    「主、報告です」
     執務室の前で声をかけると、すぐに「どうぞ~」と間延びした声が返ってくる。
    「失礼します」
    「……おかえり」
     審神者は部屋の奥でいつものように待っていた。窓辺に寄りかかり、書類に目を通している。
    「堀川はちょっと無茶しすぎだな。腕を切られるなんて珍しい」
    「そうですね。本人も反省していました」
    「刀装は?」
    「軽歩兵はほとんど破壊されました。投石兵も残りは少ないです」
    「破壊された分は補充しておいて。って言っても……、おい」
    「はい」
     戻ってから、初めて目が合った。いつものように灯りがついていない部屋でも、傍らに並べば当然のことだ。
    「近い」
     窓と長谷部との間に挟まれる形になった審神者は不機嫌そうに肩を押した。と、思えばその手がすぐに長谷部の顎先を掬い取る。顎を固定されて、交わった視線は外せなくなった。
    「……お前、可愛くなくなったなあ」
    「そうですか?」
     唇をへの字に曲げた審神者とは対極に、長谷部の頬は緩まっていく。
    「そうだよ。前は俺の一挙一動に狼狽えて、可愛かったのに」
    「……今も、ですよ」
     顎に触れた手に顔を摺り寄せた。確かに、以前と比べれば、心境に変化はあっただろう。けれど、審神者の表情の僅かな変化や、声色が長谷部を惑わすことに変わりはない。以前は審神者の機嫌を損ねてないか、自分に至らない部分があったのではないかと気が気でないこともあったが、今はどちらかというと、自分の変化で審神者が表情や態度を変えることが堪らなく嬉しいのだ。自分がそうさせているという事実に高揚感すら覚える。
    「……はあ、もういい」
     呆れたような声と共に審神者の手が離れていくので、今度はその手を長谷部が捉えた。びく、と審神者の肩が揺れる。その肩ごと抱き寄せれば、抵抗もなく長谷部の腕に収まったので益々口元が緩んだ。
    「あるじ……」
    「お前な、んっ」
     恐らく何かしらの文句を言いかけた唇を塞ぐ。やはり、抵抗はなかった。合わせた唇を食み、吸うように貪ると応えるように唇が薄く開く。合間から舌を差し込んで絡めると、唇の間で濡れた音が立った。
    「っ、あーあ、ほんと、かわいくない、な……」
     顔が離れた瞬間そう零した審神者の声は拗ねたような、むずがる子供のような甘えが混じっているので長谷部の笑みは益々深くなる。「ええ」と答えながら、また唇を寄せた。言葉とは裏腹に、腰に回された腕が長谷部を離さず、僅かに硬くなった股間を押し付けている。
    「貴方の、刀ですから」
     返事はなく、ただ熱い吐息だけが交わった。


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    いなばリチウム

    DOODLE複数の刀に手を出すタイプのクズ審神者の始まり3
    がっつり主清初夜 多分初夜
    主清初夜R18***


    「ん、んぅ、ん……っ!」
     俺がしたのとは違う、唇を合わせるだけじゃなくて、舌がねじこまれて、絡み合って、吸われる、そんな口づけだった。舌先を吸われる度、じゅる、くちゅ、といやらしい音が頭の中に直接響いて、ぼぅっとしてしまう。それだけでもういっぱいいっぱいなのに、主の手が俺の耳朶を撫でて、くにくにと触るものだから、そんなつもりないのに腰が浮いてしまう。
    「っあ、ん……やだ、それ……っ」
    「ふふ、耳よわいんだね」
     口づけの合間に、主が声を立てて笑う。顔が離れたと思ったら、今度は耳に舌がぬるりと這わされて、ぞくぞくした。
    「ひぁ……っ」
     耳の穴に舌を入れられて、舐られる。舌と唾液の音が直接聞こえてきて、舐められていない方の耳も指でいじられるからたまったもんじゃない。ぐちゅぐちゅ聞こえる音が俺の頭の中を搔き乱す。ついさっきまで俺が主を組み敷いていたのに、今はもう完全に逆転していた。暴れそうになる足は主が太股の間に体を押し込んできてもう動かせない。膝頭が足の間に入り込んできて、ぐりぐりと押される。
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    いなばリチウム

    DOODLE複数の刀に手を出すタイプのクズ審神者の始まり2
    さにみか要素がほんの少しある主清です。
    答え合わせ さにみかになるまでと主清のはじまり だってさあ……悩みがあるのか、って聞かれて、実は欲求不満で、とか言えないでしょ、自分の刀に。完全にセクハラだもんな。
    「よっきゅうふまん……?」
     俺の体を跨ぐ形で覆い被さっている清光は、俺の言葉を繰り返して、ぱち、ぱち、と瞬きをした。かわいい。きょとんとしている。
     俺は簡単に説明した。清光に何度も心配されて、まずいな、とは思っていたこと。目を見たら本音を吐きそうで、ふたりきりになるのを避けていたこと。鏡を見れば、自分が思っている以上に陰鬱な顔をしていて、けれど解決策がないまま数ヶ月を過ごしていたこと。審神者になる前は恋人みたいなセフレみたいな存在が常に3~6人はいたんだけど全員にフラれて、まあなんとかなるっしょ、と思ったものの自分が思っていた以上になんともならないくらい、人肌が恋しくなってしまったこと。刀達のことはうっかり口説きそうになるくらい好きなこと。でも臣下に、それもかみさまに手を出すのはさすがにセクハラだし不敬っぽくない? まずくない? と思っていたこと。
    2337

    いなばリチウム

    DOODLE複数の刀に手を出すタイプのクズ審神者の始まり1.5
    さにみか要素がほんの少しある主清です。
    一個前の答え合わせだけど審神者メインで他の本丸の審神者との交流とかなので読み飛ばしてもいいやつです
    答え合わせ 審神者くわしくサイド 一応ね、俺も、俺がちょっとおかしいってことは分かってるんだけどね。おかしい、って分かった上で、今、ここにいる。

     審神者になる前、俺は常に最低3人、多くて6人、恋人ないしセフレがいた。
     昔から、俺はどうにも”重い”らしく、恋人が出来ても大体一ヶ月くらいでフラれるばかりだった。俺は毎日好きって言いたいし毎日キスしたいし毎日くっついていたいし毎日好きな子を抱きたいのに、それがだめらしい。体目当てみたいでいやだ、と言われたので、昼間のデートもみっちりプランを立てて楽しく過ごしてみたものの、大学に通いながらデートしてその上で夜は夜でセックスするの体力やばすぎるむり、って言われてフラれる。メンヘラも俺と付き合うと根負けするレベル、って大学の頃噂されたっけ……。非常に遺憾だった。なんでだ。幸い、縁があってフラれてもまた別の子と付き合えることが多かったけど、そんなことが続いたので遊び人と認定されちゃうし……。
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    いなばリチウム

    DONE情けない攻めはかわいいねお題ガチャ
    https://odaibako.net/gacha/1462?share=tw
    これで出たお題ガチャは全部!微妙に消化しきれてない部分もあるけどお付き合いいただきありがとうございました!
    情けない攻めの審神者×長谷部シリーズ④・長谷部にハイキックで倒されるモブを見て自分も蹴られたくなる審神者
    ・暴漢に襲われかけた審神者と、その暴漢を正当防衛の範囲内で捻りあげ社会的死に追い込み審神者を救出する強くて怖い長谷部。


    【報道】
     
     政府施設内コンビニエンスストアで強盗 男を逮捕

     ×日、政府施設内コンビニエンスストアで店員に刃物を突き付け、現金を奪おうとしたとして無職の男が逮捕された。
     男は、施設に出入りを許可された運送会社の制服をネットオークションで購入し、施設内に侵入したと思われる。運送会社の管理の杜撰さ、政府施設のセキュリティの甘さが浮き彫りになった形だ。
     店内にはアルバイトの女性店員と審神者職男性がおり、この男性が容疑者を取り押さえたという。女性店員に怪我はなかった。この勇敢な男性は本誌の取材に対し「自分は何もしていない」「店員に怪我がなくてよかった」と答えた。なお、容疑者は取り押さえられた際に軽傷を負ったが、命に別状はないという―――
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    いなばリチウム

    MOURNING六年近く前(メモを見る限りだと2016年4月)に利き主へし小説企画で「初夜」をテーマに書いた話です。他にもいくつか初夜ネタを書いてたのでまとめてpixivに載せるつもりだったんですけど全然書ききれないので一旦ここに載せておきます!
    当時いつも書いてた主へしの作風とすこし雰囲気変えたので楽しかったし、性癖の一つでもあったので今読んでも好きな話です。
    CPではない二人の話です。長谷部が可哀想かも。
    夜な夜な(主へし R18) その日は朝から体がだるかった。
     目を覚ますと、頭は内側から叩かれているように錯覚するぐらい痛み、窓から差し込む朝日や鳥の囀りがひどく耳障りで、長谷部はそう感じてしまう思考と体の不調にただただ戸惑った。しかし、昨日はいつも通り出陣したはずだったし、今日もそれは変わりない。死ななければどうということはないが、あまりひどければ出陣に、ひいては主の戦績に支障が出る。長引くようであれば手入れ部屋へ入ることも検討しなければ、と考える。
     着替えてからだるい体を引きずって部屋を出ると、「長谷部、」と今まさに長谷部の部屋の戸に手を掛けようとしたらしく、手を中途半端に宙に浮かせて困ったように佇んでいる審神者がいた。無意識に背筋が伸びる。
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