こたつ
DONE【保鳴webオンリー展示小説】恋人同士/甘
鳴の誕生日にプロポーズをしたい保。デートの待ち合わせ場所に到着すると、遅刻常習犯の鳴がすでに来ていて――付き合っている保鳴が、他愛ない会話を通して互いへの想いを深めていく話
【保鳴】ラブマチュアリング紙袋はホテルのフロントに預けた。待ち合わせ前にやっとくことはもうないな。
焼肉屋も、写真より雰囲気がええ感じやったな。個室やし、肉のメニューも豊富。『たらふく肉を食わせろ』いうのがリクエストやったからな。あの店なら弦も満足するやろ。
満面の笑みで大喜び――そんなリアクションこそ取らんやろし。そう言うても「まぁまぁだな」とか上から目線の食レポを口にしながらも、目元は満更でもないと緩めとる姿とか簡単に目に浮かぶ。
店選びも準備も万全。ここまでエラーはない。
強いていうなら、今日、万が一怪獣が発生したもんなら、秒速で滅多切りにする自信がある――というたところか。
幸い、今のところは穏やかな午後が続いてる。
時間は……15時か。合流するまで1時間近くあるな。
8973焼肉屋も、写真より雰囲気がええ感じやったな。個室やし、肉のメニューも豊富。『たらふく肉を食わせろ』いうのがリクエストやったからな。あの店なら弦も満足するやろ。
満面の笑みで大喜び――そんなリアクションこそ取らんやろし。そう言うても「まぁまぁだな」とか上から目線の食レポを口にしながらも、目元は満更でもないと緩めとる姿とか簡単に目に浮かぶ。
店選びも準備も万全。ここまでエラーはない。
強いていうなら、今日、万が一怪獣が発生したもんなら、秒速で滅多切りにする自信がある――というたところか。
幸い、今のところは穏やかな午後が続いてる。
時間は……15時か。合流するまで1時間近くあるな。
こたつ
DONE【保鳴webオンリー展示小説】恋人同士/甘
誕生日くらい普段よりもちょっとだけ素直になれる鳴がいるかもしれない……!みたいな糖度高めの保鳴話
ある討伐作戦でオーバーヒートを起こし療養中の鳴。ゲームも没収されヒマを持て余していると、詳細を知らせていないはずの保がやって来て――。
【保鳴】37.6℃のバースデーつまらん約束をした。そう思っていたのも本当だ。だというのに、なぜだかあの日見たアイツの顔が離れない。
「次は鳴海さんの番やな」
やけに嬉しそうな声で、ゆったりと笑った保科の顔が――。
目を覚ませば、療養室は薄暗くなっていた。
飾りのない壁は影に覆われ、出入口を照らすライトだけが淡々と点灯している。
暗いな。夕方、それか一周まわって早朝か……。いや、夜も朝もどうでもいいか。どうせ終わった話だ。不条理なんてガキの頃からの腐れ縁だからな。
別に今さら。なんてことはない。
まぁ、不可抗力とはいえアイツに借りを作っちまったのだけは面白くないが。
体温をたっぷりと吸収した布団を引き寄せ、隙間なく身体と密着させる。身体から排出される二酸化炭素が熱い。
6117「次は鳴海さんの番やな」
やけに嬉しそうな声で、ゆったりと笑った保科の顔が――。
目を覚ませば、療養室は薄暗くなっていた。
飾りのない壁は影に覆われ、出入口を照らすライトだけが淡々と点灯している。
暗いな。夕方、それか一周まわって早朝か……。いや、夜も朝もどうでもいいか。どうせ終わった話だ。不条理なんてガキの頃からの腐れ縁だからな。
別に今さら。なんてことはない。
まぁ、不可抗力とはいえアイツに借りを作っちまったのだけは面白くないが。
体温をたっぷりと吸収した布団を引き寄せ、隙間なく身体と密着させる。身体から排出される二酸化炭素が熱い。
こたつ
PAST【保鳴】付き合って1年オーバーの保鳴が、休みを合わせて某テーマパークでデートする話
犬猿の仲だった頃と変わらないテンションで言葉を交わしているけど、なんだかんだ仲良しな副隊長×隊長がいます。
【保鳴】スプラッシュアワー止めどなく噴き出していた汗もやっと落ち着いてきた。
日陰になっていた縁石へ腰を降ろした保科は、隣に並ぶ鳴海の横顔へチラリと視線を流した。
黒と白の前髪が快適そうに揺れている。
どうやら杞憂だったみたいやな。
恋人にバレないよう、保科は密かに胸を撫で下ろした。
デートも後半戦。真っ青な空に貼りついている白い太陽は、まだ高い。
炎天下の遊歩道では、晴れやかな笑顔が行き交っている。
保科はたっぷりの氷に浸ったレモンウォーターで再び喉を潤し、鳴海へ声を掛けた。
「時短パス使わんで終わるかと思うてたんやけど、持ち直したみたいで安心したわ。いつ、『やってられん。ボクは帰る』て言い出すかてヒヤヒヤしとったんやで」
「ふん、よくそんな見え透いた嘘をつけるもんだな。さっきも土産だとか言って何か買っていただろ」
11108日陰になっていた縁石へ腰を降ろした保科は、隣に並ぶ鳴海の横顔へチラリと視線を流した。
黒と白の前髪が快適そうに揺れている。
どうやら杞憂だったみたいやな。
恋人にバレないよう、保科は密かに胸を撫で下ろした。
デートも後半戦。真っ青な空に貼りついている白い太陽は、まだ高い。
炎天下の遊歩道では、晴れやかな笑顔が行き交っている。
保科はたっぷりの氷に浸ったレモンウォーターで再び喉を潤し、鳴海へ声を掛けた。
「時短パス使わんで終わるかと思うてたんやけど、持ち直したみたいで安心したわ。いつ、『やってられん。ボクは帰る』て言い出すかてヒヤヒヤしとったんやで」
「ふん、よくそんな見え透いた嘘をつけるもんだな。さっきも土産だとか言って何か買っていただろ」
こたつ
PAST【鳴保】「他部隊の隊長、副隊長」という感情以外は持ち合わせていない鳴と保が、共闘を通してお互いの印象を改めていく話
・原作程度の戦闘、流血描写あり
・原作より前の時間軸設定
・原作の距離感で絡み、お互いのことをバチバチに意識し合っている鳴保がいます。からの、無自覚のうちに何かが芽生えそうなもどかしさが漂うハピエン
・115話以前に書いた話になります
【鳴保】Xの最適解そうだ。そもそも、信じる信じない以前の話だ。
鳴海は揺らぎそうになった常識を即座に立て直し、意識を戦闘場面へ引き戻した。保科が指す”隊長”に自分が含まれている訳がない。
「おい! ウチの縄張りで勝手に動くな! 何度言わせるつもりだ!」
眼球に残る灼熱感も、バイタルの乱れも関係ない。
鳴海は叩きつけるように激しく水を蹴り上げ、身勝手極まりない保科を追う。
知ってはいたが、やはりあのオカッパに隠れている耳は飾りだったようだ。
――アイツは、僕が引き受けます。鳴海隊長はそこでゆっくり休憩しとって下さい。
そう言い残し、堂々と隊長命令を無視した保科が怪獣へ切りかかった。
紫の閃光が視界の先で交差する。
地鳴りの比ではない咆哮が地下空間を揺らし、保科の動きが空中で止まった。
33818鳴海は揺らぎそうになった常識を即座に立て直し、意識を戦闘場面へ引き戻した。保科が指す”隊長”に自分が含まれている訳がない。
「おい! ウチの縄張りで勝手に動くな! 何度言わせるつもりだ!」
眼球に残る灼熱感も、バイタルの乱れも関係ない。
鳴海は叩きつけるように激しく水を蹴り上げ、身勝手極まりない保科を追う。
知ってはいたが、やはりあのオカッパに隠れている耳は飾りだったようだ。
――アイツは、僕が引き受けます。鳴海隊長はそこでゆっくり休憩しとって下さい。
そう言い残し、堂々と隊長命令を無視した保科が怪獣へ切りかかった。
紫の閃光が視界の先で交差する。
地鳴りの比ではない咆哮が地下空間を揺らし、保科の動きが空中で止まった。