ぎんまる
DONEカブライ週ドロ週ライのお題「プロポーズ」で小話。カブの名前と大いなる勘違いについて。色々設定捏造してます
入れ筆はT「君って公文書に姓を書かないんだな」
書類の端に綺麗な筆致で書かれたサインを見ながら、ライオスはまるで今気がついたかのように呟いた。
いや、興味のないことにはとんと注意を払わないこの男のことだ。実際今まさに気がついたのかもしれない。
地方によっての例外はあるものの、大抵のトールマンは親から受け継いだ姓を名乗るものだ。例えばライオス・トーデン。トーデン家は爵位こそなくとも、代々北方の小さな村で村長を務めてきた格式ある姓である。
執務室の机を前に、ライオスがしげしげと見つめている書類の署名欄にはただ「カブルー」とだけ書かれていた。
「ミルシリルの養子ということでトール家を名乗ることは一応許されているんですが、どうもしっくりこなくて」
3357書類の端に綺麗な筆致で書かれたサインを見ながら、ライオスはまるで今気がついたかのように呟いた。
いや、興味のないことにはとんと注意を払わないこの男のことだ。実際今まさに気がついたのかもしれない。
地方によっての例外はあるものの、大抵のトールマンは親から受け継いだ姓を名乗るものだ。例えばライオス・トーデン。トーデン家は爵位こそなくとも、代々北方の小さな村で村長を務めてきた格式ある姓である。
執務室の机を前に、ライオスがしげしげと見つめている書類の署名欄にはただ「カブルー」とだけ書かれていた。
「ミルシリルの養子ということでトール家を名乗ることは一応許されているんですが、どうもしっくりこなくて」
ぎんまる
DONEカブライ14巻の宴の夜。結局食べたのどうなのって気になって書いた
インターバル 夜の砂浜を滑る風が、焚き火の香りと笑い声を乗せてきた。
こんな時間までまだ起きて飲み食いしている冒険者がいるのだろうか。どんな胃袋の持ち主なんだ。
こっちはパンパンに膨れた腹が苦しくて眠れもせず、砂浜で大の字に転がっているというのに。
波に隔てられた海の向こうには千年の時を超えて大陸とともに浮き上がってきた黄金城の尖塔が見えている。
迷宮が崩壊し、悪魔と三つ首の魔物が現れ、どちらもが姿を消し、ひとりの男が王となった。激変の一日もとうとう夜を迎え、寝袋を広げてキャンプを張る者や街に戻る者などそれぞれに過ごしている。
カブルーは胃に圧迫されて苦しい肺をなんとか動かして息をついた。
自分でも信じられないことに、この腹を膨らませているのは竜の肉をふんだんに使った料理の数々だ。
2995こんな時間までまだ起きて飲み食いしている冒険者がいるのだろうか。どんな胃袋の持ち主なんだ。
こっちはパンパンに膨れた腹が苦しくて眠れもせず、砂浜で大の字に転がっているというのに。
波に隔てられた海の向こうには千年の時を超えて大陸とともに浮き上がってきた黄金城の尖塔が見えている。
迷宮が崩壊し、悪魔と三つ首の魔物が現れ、どちらもが姿を消し、ひとりの男が王となった。激変の一日もとうとう夜を迎え、寝袋を広げてキャンプを張る者や街に戻る者などそれぞれに過ごしている。
カブルーは胃に圧迫されて苦しい肺をなんとか動かして息をついた。
自分でも信じられないことに、この腹を膨らませているのは竜の肉をふんだんに使った料理の数々だ。