nanndemo_monyo
DONEリンレト前提のリンハルトとハピ/五年後夜明け前、多分帝国√以外/書き始めてからまるひとつきくらい経ってるから前後おかしかったらごめん月魚 夜の合間に革靴の音が響いている。地下を抜け出し、人目を避けて、うず高い塀の外へと出る。ユーリスに教えてもらった抜け穴から出ると、噂通りもう帝国兵は撤退しているらしかった。担いだままの縄を握りしめて、走る。瞬きの合間に、彼が落ちていった光景を思い出す。
(確か結構、外壁寄りだったはず)
帝国兵が捕獲するために何度か下に降りて行ったというから、目印の一つくらい置き去りになっているかもしれない。目を凝らして駆けていると、夜闇の中にふと立ち尽くす人影が見えた。
「……リン!」
振り返った姿はやっぱりリンハルトだった。もともと大きい目をまん丸にしながら、リンは何かの棒を両手で持っている。
「え、ハピ?どうしたのさ、アビスに誰か、」
5163(確か結構、外壁寄りだったはず)
帝国兵が捕獲するために何度か下に降りて行ったというから、目印の一つくらい置き去りになっているかもしれない。目を凝らして駆けていると、夜闇の中にふと立ち尽くす人影が見えた。
「……リン!」
振り返った姿はやっぱりリンハルトだった。もともと大きい目をまん丸にしながら、リンは何かの棒を両手で持っている。
「え、ハピ?どうしたのさ、アビスに誰か、」
nanndemo_monyo
TRAININGリンレト+なぜか匂わせ程度のディミアネ(NL)。リンハルト視点、アネットと話をするだけ。青獅子√クリア後想定。天秤あちこち劇場ディミアネとリンレト(俺しか得をしない)
見慣れた橙色の髪が見えたので、まあ挨拶くらいはしておこうかなと思った。性格はだいぶ、真反対と言っていいほど違うけど、なにかと話す機会があった子だったし。きっかけとしてはただそれだけのことである。中庭で俯いていた彼女は視線に気づくとすぐさま立ち上がった。なんだろう、不穏だ。けれどどうするか決めるより早く、大股で歩いてきた彼女が声を出した。
「リンハルト!今時間あるよね!?」
「いや、もうそろそろ昼寝の予定が」
「それは予定じゃないから!ごめん、ちょっと来て!」
完全に面倒ごとだ。ため息をつきながら引き摺られていくと、食堂を抜け、ため池のほとりにまで出る。ちょうど温室の手前あたり、人気のないところまで来ると、アネットは意を決したように振り返った。昼下がりの穏やかな木陰が目に入って、本当は今あそこで寝てたはずなんだけどな、と思った。
2872見慣れた橙色の髪が見えたので、まあ挨拶くらいはしておこうかなと思った。性格はだいぶ、真反対と言っていいほど違うけど、なにかと話す機会があった子だったし。きっかけとしてはただそれだけのことである。中庭で俯いていた彼女は視線に気づくとすぐさま立ち上がった。なんだろう、不穏だ。けれどどうするか決めるより早く、大股で歩いてきた彼女が声を出した。
「リンハルト!今時間あるよね!?」
「いや、もうそろそろ昼寝の予定が」
「それは予定じゃないから!ごめん、ちょっと来て!」
完全に面倒ごとだ。ため息をつきながら引き摺られていくと、食堂を抜け、ため池のほとりにまで出る。ちょうど温室の手前あたり、人気のないところまで来ると、アネットは意を決したように振り返った。昼下がりの穏やかな木陰が目に入って、本当は今あそこで寝てたはずなんだけどな、と思った。
WRainbow
DOODLE現パロリンレト夏祭り舞い上がってキスを迫る学生リンハルトとベレト先生の「まだ早い」
女神の塔の台詞より
AU byhardt
Linhardt tried to kiss but Byleth said "Not right now".
Quoted from Goddess tower. 3
nanndemo_monyo
MAIKINGリンレトの前書いたやつの続き。ハンネマン大活躍回ですがハンネマンへの理解が浅くて申し訳ない。 士官学校の志願はつつがなく了承され、リンハルトはめでたく修道院の門をくぐった。それから、入学志願生に紛れている「先生」と出会うまでは、それほど時間はかからなかった。
「見たことのない模様ですねえ」
「そうであろう? 吾輩も長年研究をしているがね、ここ百年ほどに見られた紋章のどれとも似ていないのだよ。ここに収められている文献も確認したが、やはり見当たらない」
実に興味深いが、しかし……と、ハンネマン教授は思索に没頭し始めた。高名な紋章学者である彼は、入学初日にその門戸をたたいたリンハルトに怪訝な顔をした。生徒からの指導志願は自由に許可されているが、まだ講義は一つも始まっておらず、ただの物見湯山かと考えられたためである。しかしながら、しばらく言葉を交わすと、その認識は無事改められたようだった。
4700「見たことのない模様ですねえ」
「そうであろう? 吾輩も長年研究をしているがね、ここ百年ほどに見られた紋章のどれとも似ていないのだよ。ここに収められている文献も確認したが、やはり見当たらない」
実に興味深いが、しかし……と、ハンネマン教授は思索に没頭し始めた。高名な紋章学者である彼は、入学初日にその門戸をたたいたリンハルトに怪訝な顔をした。生徒からの指導志願は自由に許可されているが、まだ講義は一つも始まっておらず、ただの物見湯山かと考えられたためである。しかしながら、しばらく言葉を交わすと、その認識は無事改められたようだった。
WRainbow
DOODLEリンレト版ワンドロワンライ FE風花雪月ベレトリンハルトお題「初夜」5年越しの約束どおり、体を弄り回して紋章とか色々調べさせてもらうリンハルトと「まだ早い」とはもう言えないベレト先生
露出は胸元のみですが見方により性的なのでNSFW。探究心故にちょっと大胆になるリンハルトがOKな方はどうぞ。
nanndemo_monyo
MAIKING割と人生初期からあきらめかけてたリンハルトが先生と出会ってなにかしら変化する話の予定です。まだ出会ってないところ、リンハルトが幼少期家庭教師を泣かせてた話です。
檸檬の棘たった一人の貴方
記憶にある限り、リンハルトの生涯において、「先生」と呼べる人間はいなかった。多くの貴族の例にもれず、士官学校へ入学する前は、有名な家庭教師がついた。初めてついたのは確か、4歳になろうかというころである。大抵の子どもは幼少期の記憶を次第になくすものだが、16になる今でも、この頃のことははっきりと思い出せる。まだ自分が何に興味を持つかを知らず、意図的に遮断することをしていなかったせいだろうと思う。
初日に家庭教師が持ち込んだ絵本の類は、ほとんど既に読み終えた後だった。書き文字も読むためにほとんど形を覚えきり、手になじませるだけだったので、数刻と経たずに完璧になった。フォドラの地図もおおよそ頭に入っていて、つまるところリンハルトは、彼の一年分のカリキュラムを一日で終えてしまったのである。大抵の貴族というのはそうだ、とリンハルトは後に知ることになるが、家庭教師も例にもれず、プライドの高い男であった。子どもらしい丸みを帯びた唇が、「この地図、北のほうがちがうんじゃないかな」と告げると、一瞬苦々しく眉根を寄せた。あれ、と違和感を覚えるより早く、数日と経たずに彼は職をやめてしまった。
2927記憶にある限り、リンハルトの生涯において、「先生」と呼べる人間はいなかった。多くの貴族の例にもれず、士官学校へ入学する前は、有名な家庭教師がついた。初めてついたのは確か、4歳になろうかというころである。大抵の子どもは幼少期の記憶を次第になくすものだが、16になる今でも、この頃のことははっきりと思い出せる。まだ自分が何に興味を持つかを知らず、意図的に遮断することをしていなかったせいだろうと思う。
初日に家庭教師が持ち込んだ絵本の類は、ほとんど既に読み終えた後だった。書き文字も読むためにほとんど形を覚えきり、手になじませるだけだったので、数刻と経たずに完璧になった。フォドラの地図もおおよそ頭に入っていて、つまるところリンハルトは、彼の一年分のカリキュラムを一日で終えてしまったのである。大抵の貴族というのはそうだ、とリンハルトは後に知ることになるが、家庭教師も例にもれず、プライドの高い男であった。子どもらしい丸みを帯びた唇が、「この地図、北のほうがちがうんじゃないかな」と告げると、一瞬苦々しく眉根を寄せた。あれ、と違和感を覚えるより早く、数日と経たずに彼は職をやめてしまった。