tang_brmy
PAST吏来さん、お誕生日おめでとうございます🥃お誕生日十日くらい前のとある夜の、立衣都/吏衣都のおはなし。「好きになりそう」と思う吏来さんと全く意識していない衣都ちゃんだけど、前途ある二人だといいなという願いを込めて。
どうしても夏ボイスを組み込みたくてこうなった。本気になった吏来さんにたじたじの衣都ちゃんもいつか読みたいですね。
⚠️カドスト読む前に書いたので公式との齟齬があります
admire 冷房の効いた涼しい自宅に引きこもっていたい――心の底からの願いも虚しく、どんな猛暑日でも仕事があればそうも行かない。そして酷暑の中、せっかく重い腰を上げて外に出たのに、仕事を終えて真っ直ぐ帰宅するのも味気ない。
(いつものバーって気分でもないし、久し振りにAporiaに行くとしますか)
確実にミカは居るし、運が良ければ衣都も居るかも知れない――そんな考えが脳裏をよぎった数十分後。思い浮かべた顔とは、予想とは違う場所で出会った。
「あれ、衣都」
「吏来さん……! お疲れ様です」
Aporiaが入居するビルのエレベーター。そこから降りて来たのは、会えたらいいなと思っていた相手で。名前を呼べば、不意をつかれたように大きな目をほんの一瞬だけ更に丸くした彼女は、こちらを見上げて挨拶してくれた。
3634(いつものバーって気分でもないし、久し振りにAporiaに行くとしますか)
確実にミカは居るし、運が良ければ衣都も居るかも知れない――そんな考えが脳裏をよぎった数十分後。思い浮かべた顔とは、予想とは違う場所で出会った。
「あれ、衣都」
「吏来さん……! お疲れ様です」
Aporiaが入居するビルのエレベーター。そこから降りて来たのは、会えたらいいなと思っていた相手で。名前を呼べば、不意をつかれたように大きな目をほんの一瞬だけ更に丸くした彼女は、こちらを見上げて挨拶してくれた。
tang_brmy
PAST立衣都/吏衣都の、吏来さん目線のおはなし。CP未満の二人が飲みに行って恋について話す回。吏来さんは衣都ちゃんに「好きになりそう」と言ったりしても、実際には一線を引きそうだな〜というところからの妄想です。二人の恋愛観を大いに捏造していますのでご注意を。
吏来さんは過去に大きな喪失を抱えていそうだけれど、その人と今の恋をする相手を比較することなくいつだって真剣に恋してる人であるといいな。
earnestness「付き合って貰っちゃって悪いね」
「いえ、こちらこそ。夕飯をどうしようか迷っていたので、誘って頂けて嬉しいです」
「そう? 俺としては、衣都にそう言って貰えて嬉しいよ」
笑い顔を浮かべた吏来が衣都の向かいの席に座った途端、スマートフォンから呼び出し音が鳴った。
「……」
鳴り続けるコールに、マナーモードにしておかなかったのは失敗だったと吏来が眉を寄せたのを、彼女は見逃さなかった。
「どうぞ、出て下さい」
「すぐ戻る。ごめん」
吏来は一旦席を立つと店外に出て、ため息をひとつ。それから通話ボタンをタップして、相手に煩わしさを気取らせないよう手短かに会話を切り上げた。
席に戻る前に、店内を興味深そうに見回す衣都の姿を遠目から観察する。
5129「いえ、こちらこそ。夕飯をどうしようか迷っていたので、誘って頂けて嬉しいです」
「そう? 俺としては、衣都にそう言って貰えて嬉しいよ」
笑い顔を浮かべた吏来が衣都の向かいの席に座った途端、スマートフォンから呼び出し音が鳴った。
「……」
鳴り続けるコールに、マナーモードにしておかなかったのは失敗だったと吏来が眉を寄せたのを、彼女は見逃さなかった。
「どうぞ、出て下さい」
「すぐ戻る。ごめん」
吏来は一旦席を立つと店外に出て、ため息をひとつ。それから通話ボタンをタップして、相手に煩わしさを気取らせないよう手短かに会話を切り上げた。
席に戻る前に、店内を興味深そうに見回す衣都の姿を遠目から観察する。