あもり
DOODLE永久凍土帝国アナスタシア配信7周年おめでとうございます!!今年も間に合った!そんなわけでカドアナです。
やっぱりこの2人が大好きなんだよなーって気持ちで書きました
真夜中の賭け事 人間には限界があるが、そのキャパシティは人によって違う。いつだって自分は思い知らされる側だ。
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ランプの薄明かりに照らされながらしばらくペンを走らせていたが、カドックは不意にその手を止めた。正確には、指が痙攣し指が何かを持つことを拒否している。連日続く労働に肉体の方が先に限界を迎えたのだ。
チ、と自分に吐き捨てながら反対の手で落としたペンを拾う。やること、やらなくてはならないこと、余りにも膨大な数のタスクに果てが見えず流石に途方で気が滅入る。睡眠不足で回らない頭をカフェインで誤魔化していたが、そろそろ瀬戸際だ。立ち上がれば若干よろめいたが、なんとかベッドに向かう。勿論このまま続けてもよかったが、机でぶっ倒れると時間のロスも大きいし、何よりー数日前のことを思い出してそそくさと準備をする。数時間後に起きれるようアラームをセットしてそのまま倒れ込めば、あっという間に意識を失った。
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ランプの薄明かりに照らされながらしばらくペンを走らせていたが、カドックは不意にその手を止めた。正確には、指が痙攣し指が何かを持つことを拒否している。連日続く労働に肉体の方が先に限界を迎えたのだ。
チ、と自分に吐き捨てながら反対の手で落としたペンを拾う。やること、やらなくてはならないこと、余りにも膨大な数のタスクに果てが見えず流石に途方で気が滅入る。睡眠不足で回らない頭をカフェインで誤魔化していたが、そろそろ瀬戸際だ。立ち上がれば若干よろめいたが、なんとかベッドに向かう。勿論このまま続けてもよかったが、机でぶっ倒れると時間のロスも大きいし、何よりー数日前のことを思い出してそそくさと準備をする。数時間後に起きれるようアラームをセットしてそのまま倒れ込めば、あっという間に意識を失った。
あもり
DONE永久凍土帝国アナスタシア配信6周年おめでとう〜〜〜!配信時間には普通に遅れましたが4日中に投稿自体は間に合ってよかった…カドアナに囚われて6年、これからもよろしくお願いします。いつも通りの糖度低めな本編開始前のふたりです!
絵画異聞帯ロシア、その中央に聳える宮殿にはかつての栄華の名残が山のように、されどひっそりと人知れず遺されていた。彫刻、絵画、工芸、音楽、書物と多岐にわたる遺物たちは王侯貴族たちがありとあらゆる文化を用いて、己が栄光と名誉を末世の子孫にまで語り継ごうとした証の数々。
美しい、と思う。けれど、カドックは本質までそれらを理解できるかと言われれば否定する。自分は貴族ではない、ただの平民だ。本質を知らないのであれば、ここにある全てもただの美しい"だけ"のことだ。美しいまま、永遠に降り続ける雪の中に埋没していく。忘れられていく。まるで凍土における自分たちのようだ、と自嘲する。意味をつけるのはいつだって、所有者の理解だ。
2282美しい、と思う。けれど、カドックは本質までそれらを理解できるかと言われれば否定する。自分は貴族ではない、ただの平民だ。本質を知らないのであれば、ここにある全てもただの美しい"だけ"のことだ。美しいまま、永遠に降り続ける雪の中に埋没していく。忘れられていく。まるで凍土における自分たちのようだ、と自嘲する。意味をつけるのはいつだって、所有者の理解だ。
あもり
DONE永久凍土帝国アナスタシア5周年配信おめでとうございます!カドアナ大好きです!
春告げのきみ午後、カドックはいつものように紅茶を淹れていた。この奇妙な習慣は、自分の召喚したサーヴァント・アナスタシアに数日前、突然「この時間は私と一緒にお茶を飲むように」と厳重に命じられたのが始まりだ。理由としては「マスターたるものサーヴァントとのコミュニケーションは大事にしないと」と、いう彼女の主張である。最初はよくわからないまま紅茶を出しては、彼女に渋い顔をされたものだ。今では一緒に出す焼き菓子に合わせて濃度や種類を変えることも覚え、手慣れたものになっていた。自分のルーティンに、まさか一番縁遠い「サロン」の真似事をやる日が来るとは、人生何が起きるかわからない。そうやってトレーに載せた茶会のセットを手に応接間に入ると、アナスタシアが机の上に何かを広げて眺めている。召喚してからしばらく経つが、初めて彼女が何かを読んでいる姿を見た気がする。
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