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DONE【狼耳尻尾のブラネロwithBaby】はじめてのフライドチキン!#ブラネロ親子1weekドロライ
@brnrfamily_drwr
お題「笑顔」で書きました。ミルクだった愛息が初めて食べた日。(ブラネロとBabyは狼の耳尻尾です)
【狼耳尻尾のブラネロwithBaby】はじめてのフライドチキン!「あ!ブラッドリー」
「おう」
いつもより少し早い時間。まだ外は明るくて、食堂は人がほとんどいない。
そんな中食堂に入ると、真っ先に目に飛び込んできたのはブラッドリーの狼の耳だった。
ピン、と立っているブラッドリーの耳はとても綺麗で、晶はこっそりお気に入りだ。右耳の途中が三角に切れてしまっているのは、敵に齧られたからですかと割と真面目に聞いたら指先で額を弾かれた。それも、かなり強く。あの衝撃は多分一生忘れないだろう。
んなわけあるか、攻撃魔法がかすってちぎれたんだよ、とあきれ顔で言われたが結局攻撃を受けたという点では変わらないじゃん、と内心いまだに思っている。
彼は軽くこちらに手をあげた。逆の手が小さな身体を抱いていることに気付き、晶はパタパタと駆け寄った。
4210「おう」
いつもより少し早い時間。まだ外は明るくて、食堂は人がほとんどいない。
そんな中食堂に入ると、真っ先に目に飛び込んできたのはブラッドリーの狼の耳だった。
ピン、と立っているブラッドリーの耳はとても綺麗で、晶はこっそりお気に入りだ。右耳の途中が三角に切れてしまっているのは、敵に齧られたからですかと割と真面目に聞いたら指先で額を弾かれた。それも、かなり強く。あの衝撃は多分一生忘れないだろう。
んなわけあるか、攻撃魔法がかすってちぎれたんだよ、とあきれ顔で言われたが結局攻撃を受けたという点では変わらないじゃん、と内心いまだに思っている。
彼は軽くこちらに手をあげた。逆の手が小さな身体を抱いていることに気付き、晶はパタパタと駆け寄った。
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DONE【ブラネロ家族】ある晴れた春の日に#ブラネロ親子1weekドロライ
お題「お花見」で書きました。家族が花見にいく話。
@brnrfamily_drwr
【ブラネロ家族】ある晴れた春の日に 朝からネロはご機嫌だった。朝起きると、もう部屋のキッチンにはいなくて、ジュニアは眠い目を擦りながら厨房まで遠征した。いつもなら、少なくともジュニアが起きる頃にはまだ部屋のキッチンにいて、おはよう、を言ってから厨房に行くのに。
「ネロ?」
「お、ジュニア起きたか。おはようさん。ネリーはまだ寝てた?」
「うん、父ちゃんと一緒に寝てる」
父ちゃん、とは、自分にそっくりな方の父親、ブラッドリーのことだ。
同じ名前をもつ父をブラッドリー、と呼ぶのがなんだかくすぐったくて、ついいつもブラッドリーの方を父ちゃん、と呼んでしまう。
実際は、ネロもブラッドリーも父ちゃん、なのだが。
ジュニアはネロのエプロンが好きだ。白いシャツはゆったりとしていて、エプロンと一緒に腰のあたりで括られてしゅっとする。シャツの背中のたゆみと、その下のエプロンの細いシルエットがなんかかっこいいと思うのだ。
3568「ネロ?」
「お、ジュニア起きたか。おはようさん。ネリーはまだ寝てた?」
「うん、父ちゃんと一緒に寝てる」
父ちゃん、とは、自分にそっくりな方の父親、ブラッドリーのことだ。
同じ名前をもつ父をブラッドリー、と呼ぶのがなんだかくすぐったくて、ついいつもブラッドリーの方を父ちゃん、と呼んでしまう。
実際は、ネロもブラッドリーも父ちゃん、なのだが。
ジュニアはネロのエプロンが好きだ。白いシャツはゆったりとしていて、エプロンと一緒に腰のあたりで括られてしゅっとする。シャツの背中のたゆみと、その下のエプロンの細いシルエットがなんかかっこいいと思うのだ。
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DONE【ブラネロ家族】クッキーに思いを込めて。#ブラネロ親子1weekドロライ
お題「クッキー」と「留守番」
@brnrfamily_drwr
一ヶ月前のお返しに、ネの不在中、ブが子供達とクッキーを作る話。
【ブラネロ家族】クッキーに思いを込めて。「んじゃ、ちょっと行ってくるからいい子に留守番してるんだぞ、ジュニア、ネリー」
「わかった! 行ってらっしゃい。ネリー、ほら、ネロにいってらっしゃいは?」
伴侶にそっくりの長男がニパ、と笑顔を見せてから、腹にしがみついている妹の頭を撫でる。
この魔法舎で最年少の少女は、ネロに瓜二つ。今日は緑色のフリルがついた赤いワンピースを着せられている。クロエいわく、苺をイメージしたんだよ!というそれは、なんとも可愛らしいデザインだ。
彼女はネロを見上げて、うりゅ、と顔を歪めた。
「ねよぉお……うぁやあああん!」
「おわ! ネリー、だめだよ、笑顔でいってらっしゃいしよって兄ちゃんと約束したろ? ネロ、大事なおつとめなんだから」
4102「わかった! 行ってらっしゃい。ネリー、ほら、ネロにいってらっしゃいは?」
伴侶にそっくりの長男がニパ、と笑顔を見せてから、腹にしがみついている妹の頭を撫でる。
この魔法舎で最年少の少女は、ネロに瓜二つ。今日は緑色のフリルがついた赤いワンピースを着せられている。クロエいわく、苺をイメージしたんだよ!というそれは、なんとも可愛らしいデザインだ。
彼女はネロを見上げて、うりゅ、と顔を歪めた。
「ねよぉお……うぁやあああん!」
「おわ! ネリー、だめだよ、笑顔でいってらっしゃいしよって兄ちゃんと約束したろ? ネロ、大事なおつとめなんだから」
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DOODLE【ブラネロ家族】チョコレートに愛をこめて。#ブラネロ親子1weekドロライ
お題「チョコレート」
@brnrfamily_drwr
二人にそっくりな兄妹がチョコを作る話。
【ブラネロ家族】チョコレートに愛をこめて「ネロ!チョコレート溶けてきた!」
張りのある声に呼ばれ、ネロは顔を上げた。
厨房の作業台の前に踏み台を置いて、父親にそっくりの黒と銀の髪を揺らしながら息子が目を輝かせていた。
「ん、ありがとさん。つやつやになったか?」
「なった! 果物つけていい?」
「いいよ。ほら、テーブル行きな、持ってってやるからさ」
「うん!」
父親と同じブラッドリー・ベインの名を貰ったがゆえに、賢者からジュニアと愛称を貰った息子は、好奇心に目を輝かせつつも素直に踏み台からぴょこんと飛び降りた。
賢者がもたらしたバレンタインという風習は、すっかりこの魔法舎に定着している。ネロも、今年は何にするかね、と全員の好みを考えながらあれこれ用意を数日前から始めていた。
4729張りのある声に呼ばれ、ネロは顔を上げた。
厨房の作業台の前に踏み台を置いて、父親にそっくりの黒と銀の髪を揺らしながら息子が目を輝かせていた。
「ん、ありがとさん。つやつやになったか?」
「なった! 果物つけていい?」
「いいよ。ほら、テーブル行きな、持ってってやるからさ」
「うん!」
父親と同じブラッドリー・ベインの名を貰ったがゆえに、賢者からジュニアと愛称を貰った息子は、好奇心に目を輝かせつつも素直に踏み台からぴょこんと飛び降りた。
賢者がもたらしたバレンタインという風習は、すっかりこの魔法舎に定着している。ネロも、今年は何にするかね、と全員の好みを考えながらあれこれ用意を数日前から始めていた。
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DONE #ブラネロ親子1weekドロライお題「正月」「初めての」のつもりです。
@brnrfamily_drwr
ブラネロに、ブにそっくりな息子と、ネにそっくりな娘がいます。
年越しの間際、ブがおもいだした「フィーザスローナ」とは?
フィ―ザスローナの花祝い「……あ」
小さな声を漏らして動きを止めたパートナーに、ネロはブラッド? と首を傾げた。
子供達も隣の部屋で熟睡していることだから、と、一年の終わりと一年の始まりを少々熱っぽく迎えようかというタイミングだ。
程よく酒精も入って、いつもと違ってゆっくり、丁寧に唇を重ねながら互いにシャツのボタンに手を伸ばしたところ。
「あー……思い出しちまったな」
「だから、何だよ」
ネロはブラッドリーの首からネクタイを引き抜いて、どさくさに紛れてブラッドリーの手首にくるくると巻きつけながら唇を尖らせた。
何を思い出したというのか。
それは、ようやくできたこの睦みあいの時間を止めてまで考えるべきものなのか。
そう思ってから、ああ、だめだ酔ってんな、と自覚する。
4779小さな声を漏らして動きを止めたパートナーに、ネロはブラッド? と首を傾げた。
子供達も隣の部屋で熟睡していることだから、と、一年の終わりと一年の始まりを少々熱っぽく迎えようかというタイミングだ。
程よく酒精も入って、いつもと違ってゆっくり、丁寧に唇を重ねながら互いにシャツのボタンに手を伸ばしたところ。
「あー……思い出しちまったな」
「だから、何だよ」
ネロはブラッドリーの首からネクタイを引き抜いて、どさくさに紛れてブラッドリーの手首にくるくると巻きつけながら唇を尖らせた。
何を思い出したというのか。
それは、ようやくできたこの睦みあいの時間を止めてまで考えるべきものなのか。
そう思ってから、ああ、だめだ酔ってんな、と自覚する。