menhir_k
TRAINING書くぜ!レオクロ←ケティルOne and Only 目の覚めるような青空の下に、黄金色に光り輝く小麦畑が拡がっている。ラクールではあまり目にしたことのない砂利道には、青やピンクといった色とりどりの矢車菊や、ニゲラ、スカビオサといった野花が乱れ咲き、その合間を蝶が揺らめくように飛んでいた。水車を回す小川には日差しが降り注ぎ、光を照り返した魚の鱗が時折強く煌めいては眼を焼き、レオンはその度に薄く目を細める。
小さな木陰に身を寄せたレオンは、フェルプール特有の優れた聴力で小麦畑の奏でる、潮騒にも似た麦穂のせせらぎを拾いながら、半刻前にクロードが姿を消したアーリア村の村長の家を見上げた。
故郷に——地球に帰る。
宇宙の命運を賭けた戦いを終え、エクスペルを取り戻してから暫くして、歳上の友人はレオンに告げた。最後の戦いを前に、星の海の向こうへ帰って行く彼との別れを予感していたレオンは、落胆はしたがあまり驚かなかった。だが、友人は更に「一緒に来ないか」と言葉を続けた。レオンはそのとき、いつかのエル大陸の集落でのやり取りを思い出した。一度はレオンを集落に置いていくこと提案した彼は、考えを改めた。同じだ。
6156小さな木陰に身を寄せたレオンは、フェルプール特有の優れた聴力で小麦畑の奏でる、潮騒にも似た麦穂のせせらぎを拾いながら、半刻前にクロードが姿を消したアーリア村の村長の家を見上げた。
故郷に——地球に帰る。
宇宙の命運を賭けた戦いを終え、エクスペルを取り戻してから暫くして、歳上の友人はレオンに告げた。最後の戦いを前に、星の海の向こうへ帰って行く彼との別れを予感していたレオンは、落胆はしたがあまり驚かなかった。だが、友人は更に「一緒に来ないか」と言葉を続けた。レオンはそのとき、いつかのエル大陸の集落でのやり取りを思い出した。一度はレオンを集落に置いていくこと提案した彼は、考えを改めた。同じだ。
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REHABILIラスボス戦後からペアエンドの間のレオクロぼくから失われたすべてのうつくしいもの 翻る裾の汚れた白衣が、飛び立つ鳥を思わせた。視界の端では陽光を受けてさんざめく輝く水面が揺れている。頭上を鴎に似た鳥が横切っていった。一目散に駆けて行く小さな背中が眩しくて、クロードは目を細めた。両親に抱き締められ、緊張の糸が切れたらしい泣きじゃくる子供は普段の言動が嘘のように年相応に愛らしく見える。
「良かったな」
心の声が漏れ出たのかと思い、クロードは反射的に口元を手の平で覆った。次いで、横に並び立つ男に視線を向けると、鳶色の視線に搗ち合う。そこでは青空を背にしたボーマンが、柔らかな目尻を更に下げて笑っていた。
「……ええ。本当に」
同意すると、クロードは再び両親との再会を喜ぶレオンへと目を遣った。猫に似たフェルプール独特の耳は緩やかに傾いている。
12345「良かったな」
心の声が漏れ出たのかと思い、クロードは反射的に口元を手の平で覆った。次いで、横に並び立つ男に視線を向けると、鳶色の視線に搗ち合う。そこでは青空を背にしたボーマンが、柔らかな目尻を更に下げて笑っていた。
「……ええ。本当に」
同意すると、クロードは再び両親との再会を喜ぶレオンへと目を遣った。猫に似たフェルプール独特の耳は緩やかに傾いている。